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合併記念講演会

4月3日は「南砺市合併調印式記念講演」(富山県井波町)に行ってきました。8町村の大型合併です。大ホールがほぼ満席でした(写真も載ってます)。
「これからの日本、これからの南砺」と題して、21世紀は20世紀(モノとサービスの拡大の時代)の「延長」ではないこと、市役所が提供するサービスや施設は「住みよい町」のごく一部でしかないこと、住民の関係や人情が重要であることをしゃべってきました。
簡単な講演録は、4月9日付け「富山新聞」に載りました。また、事務局が講演録を作ってくださいました。(6月10日)

88,888番

88888は6月8日、高知の中野さんでした。家でHPを開いたら、たまたまこの番号だったそうです。既に拙著をお持ちなので、賞品は辞退されるとのことです。8日のカウンターの上がりはすごかったです。朝は、まだ88000だったのに。

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三位一体改革10

3兆円と3兆円
「骨太の方針2004」には、3兆円が2カ所に出てきて、間違いやすいです。
①「3兆円の国庫補助金改革」は、昨年決めた「18年度までの4兆円の補助金改革」のうち、今年度実施した1兆円を引いた残り3兆円です。
②「3兆円の税源移譲」は、18年度までに行う税源移譲の額です。
国庫補助金について言えば、平成15年度に「芽だし」として0.5兆円を達成していますので、①の4兆円と併せて、合計4.5兆円が目標になります。
税源移譲については、平成15年度分として0.2兆円、平成16年度分として0.4兆円が一般財源化されました。これらは、譲与税や交付金という形の「過渡的税源移譲」になっています。これら合計0.6兆円は「手付け金」としてもらっているので、あと2.4兆円一般財源化すれば、合わせて3兆円になります。
一方、税源移譲は所得税から住民税に振り替えることとなっています。個人住民税を10%のフラットにすると、約3兆円の税源移譲になります。
全体で見ると、4.5兆円の補助金削減と、3兆円の一般財源化=税源移譲という対比になります。表にすると、次のとおり。単位は兆円。
補助金改革
一般財源化
一般財源化の方法
15年度実施分
(芽だし)
0.5
0.2
義務教共済長期
(交付金化の後、
所得譲与税化)
骨太方針2003
目標4兆円
16年度実施分
0.4
公立保育所など0.2
(所得譲与税化)
義務教退手など0.2
(交付金化)
骨太方針2004
目標3兆円
合計目標
4.5
残りの分
(17,18年度)
2.4

もちろん、これは目標なので、今後2.4兆円以上の一般財源化がされると、それと0.6兆円の合計が税源移譲額になります。なお、0.6兆円の内、交付金化されている義務教育退職手当0.2兆円は、税源移譲されるかどうか決まっていません。他は税源移譲されても、この分だけは交付金のまま、ということもあります。

(6月4日、6日、7日)
3兆円税源移譲目標の明示
反対派の意見「国庫補助金削減額を決めることが先で、それによって一般財源化額が決まり、税源移譲額が決まる」は、正論です。補助金削減が「入り口」で、税源移譲が「出口」です。しかし、その「国庫補助金削減内容」がなかなか決まらないので、今回はまず「出口」の目標を決めたのです。
実は、この考えは今回(4月26日の麻生プラン)が、初めてではありません。昨年4月1日に、諮問会議が三位一体改革の議論を再開したときに、小泉総理が発言しました。その日は、竹中大臣の記者会見内容に対し、塩川財務大臣が「嘘つき」と発言して、うやむやになってしまったのです。
そして今回の「みそ」は、もちろん「地方団体に補助金改革内容決めてもらう=残る3兆円を選んでもらうこと」です。(6月5日)
地方団体の覚悟
「廃止する国庫補助金を地方団体に選んでもらう」とされたことで、地方団体には、大きな責任が生じました。3200団体間で意見をまとめることは、大変なことだと思います。しかし、それができないようでは、霞ヶ関の官僚は次のように言うでしょう。
「やはり地方団体には任せられない」「建前では補助金廃止と言っても、本音は補助金が欲しいんだろう」「やはり国が補助金を配らなければ」
ここで、地方団体の覚悟が問われています。
また、税源移譲目標が決まりましたが、歳出削減とは別です。これからも、歳出削減(それに見合った交付税の特例分や赤字地方債等の削減)は続きます。16年度の歳出削減=交付税等の削減幅が大きかったことに、地方から不満の声がでました。しかし、何度も述べているように、まだ各年度の赤字幅は大きく、歳出削減は続けなければならないのです。子や孫にこれ以上借金を残さないためには、さらなる歳出削減か増税が必要なのです。
「国は十分な歳出削減をしていない。なぜ、地方団体だけに厳しいのか」という質問を受けます。ごもっともな指摘です。私も、それについては釈然としません(バブル期に税の増収を、国はそのまま使ってしまい、地方は過去の借金返しに使ったことを思い出します)。しかし、中央政府が十分な歳出削減をしないからといって、地方団体が努力を怠っていい理由にはなりません。
私は、この瞬間や、今年の予算だけでなく、子や孫の時代をも視野に入れた、責任ある判断が必要だと思います。将来の評価に待ちたいと思います。(6月5日)

三位一体改革9

経済財政諮問会議での議論
経済財政諮問会議で、「骨太の方針2004」の議論が進んでいます。三位一体改革は、4月26日に麻生大臣が麻生プランを発表して以来、表だった進展はないようです。19日に提出された「素案」p7では、全くの白紙になっています。
昨年の今頃は、各省間の協議が何回も行われたものの進まず、また、分権会議水口私案が出て混乱していました。最後は、総理の「3年間で4兆円補助金見直し、基幹税で移譲」との指示が出て決着しました。今年は、麻生大臣のイニシアティブのもと、順調に進むことを期待しています。(5月20日)
5月19日の経済財政諮問会議議事要旨が公表されました。20日付けの日記で、「素案p7では、全くの白紙になっています」と書きました。その点について麻生大臣は「・・ものの見事に何も書いていないが、・・・書き込まないで、ずっと先延ばしにしようという意図を感じさせる・・」p16と発言されています。
また、p9には、財政審議会への批判、生活保護・医療についての地方負担に関する発言が出ています。ご覧ください。議論が公開されることは、責任ある政治を行う際に重要です。(5月24日)
総理が3兆円税源移譲を指示
28日の経済財政諮問会議で、「骨太の方針2004」が審議されました。三位一体改革については、原文に無かった「3兆円の税源移譲」が、書き込まれることになりました。麻生大臣の主張に、総理も同調なさったとのことです。併せて、対象とする国庫補助負担金は、地方団体に選んでもらおうというのが、総理の指示だそうです。
財務大臣は、反対されたそうです。しかし、代案を出さない限り、改革を進めたい総理としては、麻生大臣に軍配を上げられると思います。近く、竹中大臣の記者会見と議事要旨が載ります。ご覧ください。
今回もまた、政治による決断、リーダーシップによって進みました。それはまた、官僚の限界が、再び見えたことでもあります。官僚の一人としては、残念ですが。
新聞記事の中には、「地方の行政改革が停滞する」など、とんちんかんなことを、書いているのもありました。三位一体の目的を、はき違えてますよね(三位一体改革を歳出カットとしか、とらえていないグループがいるのです)。また、麻生大臣は、「行革は進める」と主張しています。前にも書きましたが、国が歳出削減を進めないのに、地方交付税などが大きく削減されたから、地方団体は不満を持ったのです。
財務省の言うことをそのまま書くのは、そろそろやめて欲しいですね。また、それを大きく載せるデスクも・・(各紙の経済部のデスクは、大蔵省記者クラブのOBが多いのだそうです)。しかし私は、こうして「抵抗勢力」連合軍は、自らの信頼を自ら崩していってるんだと考えています。(5月29日)
報道の中には、総理の指示に対し「財務省は巻き返しに」とか「6月3日の骨太の方針決定までには、なお流動的」といったのがあります。
私を含め多くの人には、これは理解しがたいことでしょう。一国の総理が指示したことを、官僚が「変更」しようとするのです。その指示が国を誤らせるようなことであって、身を賭して「お諫め申し上げる」のなら、わかります。しかし、近年、諫言が聞き入れられず、辞職した官僚はいませんよね。
また、総理の決断に問題点があるのなら、それを指摘するのは重要です。しかし、今回の総理指示は、それほど「サプライズ」ではありません。麻生大臣が4月26日に提案して、諮問会議でも議論がされました。財務大臣が強く反対されたことも事実です。それら政治家による議論を踏まえて、総理が選択されたのです。それを官僚が「巻き返す」とは、理解しがたいです。(5月30日)
【3兆円税源移譲目標決定】
6月3日の経済財政諮問会議で、「骨太の方針2004」が決まりました。4日に閣議決定されます。三位一体について、もめていた部分については、28日の会議での総理発言(議事概要p15、麻生大臣の主張はp12)に沿った形で、記述がなされました。新聞に載っているとおりです。
ポイントは、次のようなものです(方針p8)。
①18年度までに、3兆円規模の税源移譲をする。
②残る3兆円の補助金改革は、地方団体に案をまとめてもらう。
③今年の秋に、18年度までの改革の全体像を明らかにする。その際には、地方の意見を聞く。
④地方の歳出を抑制しつつ、安定的な財政運営のための一般財源総額を確保する。
1日の日記に書いた、地方公務員給与についても、「方針」p8に記述があります。(6月3日)

副業

今年も、政策研究大学院に講義に行きます。週末は、その準備をしました。三位一体改革がどんどん進むので、資料の差し替えが大変です。私は、役所の資料の他に、新聞記事なども使っています。その方が、「臨場感」があります。もちろん、手作りの解説資料も。これが、私の「売り」です。