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総務省の仕事と私の仕事

政府は、法律によって仕事をします。大臣官房総務課長は、その法律案を取りまとめ、国会に提出するのが仕事です。第159回国会に総務省が提出する予定の法案は、14本もあります。その中には、三位一体改革の実施(地方交付税法などの改正)、市町村合併の促進(地方自治法などの改正)、国家公務員定数の削減(総定員法の改正)、サイバー犯罪対策(電波法などの改正)などが含まれています。
ここには、中央と地方の政府間関係の変更から、国民生活にかかわる犯罪の防止まで、いろいろなものがあります。そしてそれらは、サイバー犯罪といった、これまで考えられなかった新しい事態への対応であり、国と地方政府のあり方の変更といった、50年ぶりの国家構造改革です。
今、挙げた事例は、みなさんにはわかりにくいかもしれません。道路や建物と違って、目に見えないからです。これらは、「社会のソフトウエア」であり、総務省の仕事は、「見えない社会インフラ」の整備、国家と行政の制度設計なのです。

2003年・年末のご挨拶

平成15年も、今日で終わりです。今年一年、拙いページをご覧頂き、ありがとうございました。皆さんにとって、今年はどのような年だったでしょうか。私の一年は、次のようでした。
本業では、
交付税改革を進めました。今年の大物は、県分の留保財源率を引き上げたことです。交付税の歴史で、初めてのことです。引き続き、今後の方針として、県分の補正係数半減・事業費補正の原則廃止を打ち出しました。効率化による需要額の削減も決めました。これも、職員の支えがあったからです。感謝します。
来年度で、交付税は50年を迎えます。残念ながら、私は担当を離れますが。これまでの3年間で、「段階補正の縮減」「事業費補正の縮小」「留保財源率の引き上げ」を行いました。これらは、これまで拡大してきた交付税の「きめ細かな財源保障の算定」を方向転換したと、私は位置付けています。この路線は、変わらないと思います。
東大の
客員教授は、2年目を勤めました。昨年度の講義を本にまとめ、出版しました。その「新地方自治入門」は、多くの人から好意的な評価を頂きました。昨年出版した「地方財政改革論議」は、三位一体改革が進んだこともあって、5刷りが出ました。その他の講義や講演は、今年も40回を超えました。日本地方財政学会総会で、基調講演もさせていただきました。講演の一つが、朝日新聞に取り上げられ、1面に登場するという「おまけ」もありました。学者の先生やマスコミの人たち、これまで存じ上げなかった人とも、いろんな議論ができました。若き学生さん達も。書いた原稿も数多く。このホームページでも、積極的に発言しました。それもあってか、見て下さった方は、4万人を超えました。昨年1年間で1万人だったのに、今年は3万人です。
上司や同僚の「大きな心」がなければ、これほどまでには、自由に発言したり行動したりできなかったでしょう。これも、感謝しています。これだけの本業と副業をするには、土曜日曜がなくなります。読みたい本も、買うだけで・・。でも、それだけの成果はあったと満足しています。今年一年、ありがとうございました。皆さん、よいお年を。

年末恒例の苦しみ

ようやく年賀状を投函しました。郵政公社の皆さん、よろしくお願いします。今からじゃ、元旦は無理でしょうか。今年も、早くから着手はしたのですが。いろいろと仕事が入って休みが潰れ、記者さんや異業種の方からのお誘いを断れず夜が潰れて、今日になってしまいました。800枚に宛名書きし、1行添え書きをすると、結構な仕事になります。ワープロにすれば早いのでしょうが、若いときにお世話になった人や、引退されてお顔を合わせない人は、私の下手な字を待っていて下さるので、そういうわけにもいかず。
かつては、千枚以上書いていたのですが、最近はこの枚数で勘弁してもらっています。多くの人に不義理をしています。すみません、お返事を書かずに。私の先輩には、1600枚を自筆でお書きになるスーパーマンがおられます。しかも達筆で、とても私の及ぶところではありません。

最近の楽しみと悲しみ

拙著「新地方自治入門」が出てから、本屋に行くのが楽しみです。平積みしてあるのを見ると、うれしいですねえ。もっとも、大きな本屋だけですが。日をおいて、行って見ます。そして、売れていると、またうれしいです。しかし次には、「なぜもっと置いてくれないのか」と悲しくなります。再びたくさん置いてあると、「ひょっとして、1冊も売れてないのじゃないか」と心配になります。
本屋に行かなくても、紀伊国屋などは、HPで在庫状況がわかります。「
著作等」のページにリンクを張ってあって、クリック一つで見ることができます。これも同じです。在庫があると「置いてくれている」と喜び、しばらくすると「売れていない」と悲しくなります。一方、在庫がないと「あ、売れた」と喜び、しばらくすると「もっと置いてくれればいいのに」と悲しくなります。こうして、凡人の喜びと悲しみの種は、尽きないのです。