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社会のルールを誰が決めるか

昨日、「経済活動のルールを誰が決めるか」を書きました。26日の日経新聞「論点争点」が、「健全サイトの認定機関、法規制回避へ自主対応」を書いていました。これは、有害情報を誰が規制するかです。
青少年の保護のために、携帯電話のサイトでの違法・有害コンテンツの閲覧を制限する話です。自民党は、国の審議会が有害サイトを指定し、プロバイダーにそのサイトを青少年が閲覧できなくするように義務付ける法案を考えました。これに対し、業界が自主規制を始めたのです。コンテンツ業界やプロバイダー、電気通信事業者が、監視機構を立ち上げました。外部の有識者が審査して、認定するそうです。
これには前例があり、放送倫理・番組向上機構も、法律による規制を回避するために、民間が自主規制したのだそうです。
表現の自由と青少年保護、難しい問題です。新しい技術によって新しいサービスが普及すると、社会のルールづくりが課題になります。(5月26日)
6日の日経新聞経済教室は、塩沢修平教授の「企業の社会貢献活動のあり方」でした。社会システムを、市場・政治・狭義の社会の3つのシステムからなると捉えておられます。これは、拙著「新地方自治入門」第8章「公の範囲は」で解説したのと同じ考えです。そして、公共サービスで政府・企業・NPOは競合すること、政治・市場を補完する上で企業の役割は重要と述べておられます。

2008.06.07

今日は第7回目の授業。官僚制の問題、特にその成果についてです。個別事例を挙げて説明するのですが、事例を話すと時間がかかります。公共事業それも個別の実例、護送船団行政、米あまり、幼稚園と保育園が統合できないことなどなど。でも、抽象論じゃ理解でないでしょうから、なるべく実例を入れて解説しています。ほとんどの学生(今日は2人ほどを除く)は、熱心に聞いてくれます。

2008.06.05

東京は、梅雨空が続きます。さらに、日によって寒暖の変動が大きく、最高気温が10度くらい上下します。クールビズがちょうどの日もあれば、翌日はネクタイがないと寒かったり。風邪を引いている人も多いです。皆さん、健康に気をつけてください。小生は、何やかやと仕事が入り、毎日それなりに忙しい日々を送っています。

都市的集積

先に、定住自立圏構想の紹介をしましたが、忘れていたことを書きます。大きなデパートや病院は、一定の人口が必要です。では、どの程度の人口があれば、そのような施設は成り立つか。それぞれ地理的・歴史的条件が違いますから、なかなか標準化は難しいです。山間部・離島では条件が違います。大都市の近辺だと、これまた大都市の影響を受けます。最も簡単な試算は、いま全国にあるそのような施設の数で、全国の人口を割ってみるのです。すると、単純な平均が出ます。定住自立圏の研究会では、そのような試算もしています。
第4回研究会の配付資料「定住自立圏域のあり方とイメージ」のp2です。これによると、新幹線の駅は300万人の後背人口が必要です。高速道路のインターチェンジは9万人。デパートは38万人、映画館は18万人。うーん、インターの数より映画館の方が少ないのか。スーパーは1万5千人です。塾は2千人あれば良く、飲み屋は400人あれば成り立つようです。結構面白いですよ。もちろん、単純平均値ですが。ご覧ください。

2008.06.04

4日の朝日新聞は、分権委員会勧告について、西尾勝委員長代理のインタビュー「市町村への移譲当然、内閣は明確に意志示せ」を載せていました。
「各省は相変わらず権限死守の路線です」との問に対しては、「これでも、ずいぶんと変わったんだ。・・河川や国道も前進した。かつては族議員が各省に分権委との接触を禁止して交渉すらできなかった。それが今回は国土交通省から分権の方向での回答が来た。族議員は確実に弱体化し、分権は少しずつ進んでいる」
「福田首相には、どんな対応を望みますか」との問に対しては、「内閣を支える各省がこれほど抵抗しているのだから、首相は『最大限尊重する』とは言えないだろう。各省と全面戦争するのではなく、内閣として実現項目を選び、各省に『これは内閣の意志だ。従え』というべきだ」詳しくは原文をお読みください。