岡本全勝 のすべての投稿

貿易量と情報量

3月27日の経済財政諮問会議「アジアゲートウェイ」の審議の中で、菅総務大臣が世界貿易の流通量と情報の流通量を比較して、次のように述べておられます。
資料1ページ目の右上に「世界の貿易流通」がある。5,830億ドルが北米と欧州である。北米とアジアが7,820 億ドル、アジアと欧州が7,250 億ドルであり、大体均衡がとれている。しかし、情報の流通では、欧州と北米が669Gbps、北米とアジアがその半分であり、アジアと欧州はその28 分の1である・・・
アジア・北米・欧州間の貿易量が、ほぼ同じということも驚きました。アジアは、そこまで大きくなったのですね。それに比べ、情報の流通量が28分の1とは、これまた驚きです。これから、モノやカネ以上に、情報が価値を持つ時代になるでしょう。すると、この差は大きいですね。

国家公務員の配置転換

国家公務員の本格的配置転換が、始まりました。まず、約700人が、食料管理・農林統計・北海道開発局から、刑務所刑務官・国税職員などに配転になりました(3日付け読売新聞ほか)。慣れない職場で苦労される方もおられると思います。また、何人かの方は、引っ越しもあったと思います。
このHPでも指摘しましたが、地方団体や民間企業では当たり前に行われてきたことが、これまで行われていなかったのです。今後、行政の役割変化に従って、さらなる配置転換が必要になると思います。かなり以前から、予想されていたはずなのですが。
かつて、公共事業部局の人事担当の先輩に、「将来、事業が減って、職員数削減が必ず来ますよ。後輩のためにも、採用人数を減らした方が良いのではないですか」と言ったら、「全勝は簡単にそういうけど、私の代に人数は減らせないよ」と言われたことを思い出しました。

官僚の国会待機

丹羽宇一郎伊藤忠商事会長が、日経ビジネス3月26日号に「官僚深夜待機への疑問」を書いておられます。
国会開会中、大勢の官僚が午前1時、2時といった深夜まで、待機を余儀なくされている。翌日の質疑に必要な答弁を、書くために残っている。いったい官僚に徹夜させるほど急を要する質問が、どれほどあるのだろう。突発的な事態を除いて、前々日までに質問を出さない場合は、国会で答えない。必要ならインターネット上で解答するなど、国民が見られるようにすればいい・・・

地方分権改革推進委員会

地方分権改革推進委員会が発足し、HPも開設されました。2日には、第一回会合が開かれ、総理が次のように挨拶されたとのことです。
「地方の活力なくして国の活力なし」の考え方の下、国が地方のやることを考え、押し付けるという、これまで続いてきたやり方は捨てるべきである。地方が自ら考え、実行することのできる体制作りが不可欠であり、そのためには、国と地方の役割分担を明確化することが必要であり、各省庁の利害にとらわれず、役割分担の見直しをお願いする・・・本委員会において、5月末頃までには、地方分権改革の推進に当たっての基本的な考え方をお示しいただき、秋には中間的なとりまとめをお願いしたい。

西尾勝先生は、次のように述べておられます(3日付け読売新聞)。
分権改革でいま残っている課題は、どれも関係省庁が同意しそうもない課題だ。何とか同意を得られるものは、前の推進委時代にほとんどやってしまった。従って、政治主導でやる必要がある。推進委は、省庁の賛否にかかわらず、改革原案の立案に専念し、それを実行するかは内閣が決める体制にすべきだ。首相と少数の閣僚による「地方分権改革推進閣僚会議」の設置が必要だ。この閣僚会議は、地方六団体の代表と必ず協議する慣習を確立してほしい。

3日の東京新聞社説は、次のように述べています。
新推進法は旧法の仕組みを踏襲したが、違う点もある・・旧法にあった委員会の勧告や意見に対する首相の尊重義務が削除されたことだ。旧法ではこの規定が“あだ”となり、委員会はあらかじめ各省庁と調整し、受け入れられた勧告しか出せなかった。今度は役所の顔色をうかがう必要はない。分権型社会を目指し、大胆な改革案を示してほしい。
もともと、霞が関の官僚との戦いは民間人の委員の手には負えない。政治家の仕事である。本気で分権改革を進める気なら、首相はどんなに抵抗が強くても、関係省庁に勧告の実行を迫っていく覚悟を持たねばならない・・・

社会人先輩の反省

新年度が始まりました。たくさんの人が、新しい人生を始められたでしょう。それぞれに希望を持って、今日を迎えられたと思います。その思いを持ち続け、仕事に勉強にがんばってください。我が家も、娘が新採研修のため会社の寮に入り、さみしくなりました。先日、「社会人の心得」を書いて渡しました。
娘曰く「お父さん。自分ができなかったことを、書いたでしょ」
父「その通り。30年間の失敗を反省して、書いた」
娘「そんなあ・・・」