投稿者アーカイブ:岡本全勝

〈私〉時代のデモクラシー

2010年5月5日   岡本全勝
宇野重規著「〈私〉時代のデモクラシー」(2010年、岩波新書)を読みました。現在の日本や先進国で、自由と平等が達成できたことが、社会の不安と不満を生んだことを、極めて明快に分析しておられます。個人を縛り付けていた、イエや宗教といった「伝統」から自由になることを目指したのが、近代でした。また、身分や所属する団体による不平等を撤廃することを目指したのが、近代でした。それを達成した「後期近代」になって見えてきたものは、あらゆることを自分で判断しなければならないという負担であり、その選択に責任を持たなければならないという不安です。また、中間集団の希薄化は、個人の砂状化とともに、政治への回路をなくしてしまいます。ここにに、従来の政党は、不満の吸い上げと利益の配分に機能しなくなります。
私は「新地方自治入門」で、個人・社会・政治にとって、中間集団が大きな機能を果たしていること、そして従来型のイエ・ムラが希薄化し、新たな中間集団が必要なことを論じました(p210)。また、自由・平等・豊かさを達成した日本において、次なる理想は何か、戦うべき「敵」は何かを議論しました(p308)。さらに、いま大学院で講義している「社会のリスク」の項目の一つに、「社会関係の不安」をいれているので、非常に参考になりました。
新書というサイズには、大きなテーマですが、わかりやすく書かれています。ここではすべてを紹介できないので、ご一読をお勧めします。

大型連休も終わり

2010年5月5日   岡本全勝
大型連休も今日で終わり。今年はカレンダーに恵まれ、まとまった連休でした。皆さん、お休みを楽しまれたことでしょう。どこも、大変な人出だったようです。明日明後日にお休みをとって、さらに連続休暇の方も、おられるでしょうね。
東京は天候に恵まれ、3月4月の雨と寒さが嘘のような毎日でした。小生は、大問題だったホームページ故障が仮復旧でき、回復のめどが立ちました。大学院の準備も進みました。家の掃除や整理もできました。家族サービスも、少しだけ。もちろん、いつものように「あれもしよう、これも読もう」と無計画に欲張った希望は、達成されませんでした(笑い)。でも、いくつかの懸案事項も片付けられたので、良しとしましょう。
この期間、お商売の方や交通機関の方、また消防・警察・病院といった交替制勤務の方は、お勤めありがとうございました。皆さんのおかげで、安心してお休みを楽しむことができます。

イギリスの官僚

2010年5月4日   岡本全勝

4月23日の朝日新聞オピニオン欄、グレアム・フライ前駐日英国大使のインタビュー、「日英、官僚の在り方は」から(古くなって、すみません)。
・・私たちの場合、官僚は政治家とほとんどつきあいません。自分の役所の大臣、副大臣、政務官とは毎日会いますが、例えば野党の大物政治家と連絡するときは大臣の許可が必要です。
・・(日本の「政と官」の関係について)政治主導ということで、各省に政治家が集まっていろいろ決めていると聞きました。政治家と官僚は役割が違うから、互いに尊敬してやればいいのではないでしょうか。特に重要なのは、大臣が「これをやりたい」と言った時です。その場合、官僚の義務は客観的に分析して問題点を指摘することです。大臣は聞きたくないかもしれないし、こいつは邪魔をしようとしていると官僚が誤解される可能性も大きい。そういうことができる政治家と官僚の信頼関係は非常に大切だと思います。
・・官僚の能力として一番評価されるのは、どんな政策を作ったらいいかという大臣へのアドバイスなんですが、大事なのはそれだけじゃありません。プロジェクトの管理や運営が上手にできるかなんですね。そうすると、官僚の技能で足りるのか、そういう技能は民間にあるんじゃないか、じゃあ民間から導入しようとなるんですね。
・・(官僚の人事について)政治家は介入しない方がいい。なぜなら、官僚が政治家にくっついてしまう失敗がありうるからです。人事は委員会を設けて、できるだけ客観的に評価するのがいい。ある人たちは若くして昇進する。でもポストは増えないから、そうでない人たちは若い人にポストをとられて昇進できません・・

ホームページソフト故障始末記

2010年5月3日   岡本全勝

(パソコンの故障)
4月24日に、私のパソコンのホームページソフトが故障しました。正確には、ソフトは立ち上がるのですが、編集してきたサイトが開かなくなりました。別に過去のサイトを保存してあり、それは開けました。しかし、それは半年も前のデータなので、それをプロバイダー(ニフティ)のサーバーに送ると、この半年間の記述が反映されません。
またもや、お師匠さんである玉岡雅之神戸大学准教授に助けを求め、インターネット上の私のHPデータを保存して送ってもらいました。538ページ分です。5年前にパソコンを買い換えた時も、パソコンが壊れた時も、先生の指導でうまく復旧できました。ところが、今回はうまくいかないのです。データを取り込む途中で、凍り付いてしまいます。
(事態は悪化)
いろいろいじっているうちに、さらに状態は悪化しました。カウンターが消えたり。皆さんもご経験があると思いますが、パソコンっていじっていると、あっという間に時間が経ちます。しかも、うまくいかないと、いらいらするし。からだと精神に良くないですね(笑い)。
(ついにソフトを乗り換え)
ついに、慣れ親しんだソフト「ニンジャ2002」を捨て、新しく「ホームページ・ビルダー」に乗り換えました。インターネット販売でダウンロードして、これは簡単ですね。1万円余りです。ところが、ビルダーも538ページを取り込む途中で、凍るのです。しかたなく、1ページから作りかえることにしました。大決断というか、あきらめたというか。
過去のページは、玉岡先生に送ってもらってあり、私のパソコンに保存してあるので、時間さえかければ、それを素材にして復旧できると考えたのです。ところが、初めてのソフトで使い方がわからず、これにも手間取りました。ここまで、土曜日曜を、すべてつぎ込みました。トホホ・・。
(たくさんの人からの助言)
この間の事情をホームページで皆さんに報告しようにも、加筆ができないので、どうにもなりません。何人かの方には、メールでこの事情をお知らせしました。また、「どうなっているのですか」と問い合わせてくださる方も。そして、皆さん親切に、復旧方法を教えてくださいました。ありがたいことです。「なるべく既存のページを残してください」という陳情や「専門家を呼びなさい」という助言も。
(専門家の登場)
近くに、IT専門家がおられることに気づき、この状態をお話ししました。そして、診断と復旧に来てもらいました。鮮やかなものですね。あっという間に、保存されたデーターをビルダーに取り込み、一方でニフティのサーバーも最新の形で復旧してくださいました。万歳。
ところが、ビルダーも538ページを取り込むのですが、その全体地図を作る際に凍り付きます。何度やっても同じです。専門家の診断は次の通り。「ニンジャでもビルダーでも、538ページ間のリンクは反映されている。しかし、全ページが一枚の平面に載っている。この相互リンクが多すぎて、処理できなくなった。」
ニンジャの画面上でも、大分類の下に中分類、その下に各ページと、系統樹になって538ページが表示されます。きれいなツリー図です。しかし、視覚的にはそうなっていても、パソコン上では平面に並んでいるのです。カルタ取りみたいに。
本格的なコンピュータなら、大分類ごと、中分類ごとにファイルが作られ、それが関連づけ(リンク)されます。しかし、私のホームページは、1枚ずつ付け足していたので、そのような階層にはなっていません。「たぶん、ビルダーも500ページも作ることを想定していないのではないか」というご託宣です。
(今後の復旧)
現在では、インターネット上では、これまでと同様に、見ることができます。また、加筆もできます。しかし、加筆作業の際に538ページの系統樹が出てこないので、作業が面倒なのです。さらに、新しいページを付け加えるのは、ややこしいはずです。今後の復旧方向については、専門家と相談中です。いずれにせよ、古くなったページは捨てましょう。
今回の事件で、あらためて良く538ページもつくったものだと、我ながら感心しあきれました。毎日こつこつ8年間。最初の頃は毎日ではありませんでしたが。1日につき、30分から1時間作業したとして、累積では大変な作業時間数ですね。

リゾート開発の失敗

2010年5月3日   岡本全勝
朝日新聞3日の変転経済は、リゾート法でした。1987年にリゾート法ができ、各県の要望合戦のすえに、いくつかの地域がリゾート開発地域に指定されました。代表が、記事で紹介されている宮崎シーガイアです。
時は、バブル期。四全総で、多極分散型国土開発が掲げられました(と言っても、若い人は全国総合開発計画を知らないでしょう)。
どのように失敗したか、記事をお読みください。後から検証すると、「なぜ、そんな簡単な間違いをしたのか」「なぜ、気がついた時に引き返さなかったのか」と思うでしょうが。
まだ20年前のブームと失敗は、当時の関係者には「ついこの間のこと」ですが、学生や後から来た人には、聞いたことのない話でしょう。