東大出版会PR誌『UP』2010年6月号、佐藤康宏東大教授の「日本美術史不案内14技官たち」から。
・・(文化庁)美術工芸課の技官たちは、概して誇り高かった。国宝・重要文化財の指定のための調査や保存修理、海外での展覧会の仕事のために現場に生きる彼らは、物を最も良く知っているのは自分たちであり、大学の先生は物を知らない、と豪語してはばからなかった・・
・・残念ながら、専門家集団ゆえの失態もあったことは、私が大学に移ってから報道された。高松塚古墳壁画の劣化である。特定の技官が特定の業務に関する情報を抱え込んでしまったために、同じ部門にいた技官でさえ、危機的な事態を認識してはいなかった・・
投稿者アーカイブ:岡本全勝
文明的課題と政治の対応
インターネットによる授業公開
ハーバード大学の政治哲学のマイケル・サンデル教授の授業が評判です。NHKテレビが「ハーバード白熱教室」として放送中です。オンデマンドでも、見ることができるようです。ハーバード大学のホームページ「Justice with Michael Sandel」では、インターネットで授業を見ることができます。もちろん、英語です。
テレビで見ている人に聞くと、「学生に当てて、答えさせるところが新鮮だった」という意見がありました。確かに、この1,000人を超える大教室で討論させるのは、大変ですね。さらに、アメリカの大学では、毎週大変な分量の書物を読んでくることを求められる授業も多いようです。私も大学時代、毎週英語の原書を読んで概要をまとめ、発表するというゼミをとり、しばしば徹夜したことを思い出します。
東京大学でも、インターネットでいくつかの授業を公開しています。「UTオープンコースウェア」です。結構有名な教授の授業を見ることができます。
政策を鍛える責任
日経新聞6月8日の経済教室、田中直毅さんの「永田町も『失われた20年』」から。
・・鳩山由紀夫政権は、わずか8か月余りで終わった。その原因は、野党時代の民主党が「鍛えられていなかった」ことにつきる。日本では欧米と異なり、野党の政策提言能力を鍛えることを通じて政府に緊張感を抱かせ、民主主義の政治空間を活性化させるという手法が根付いていなかった。そして鍛えられていない野党が政権を奪取した結果、一国の政権という「重さ」に耐えきれなかったのである・・
・・「野党を鍛える」開かれた言論空間をつくりあげるうえで、学界や政策研究集団に大きな欠陥があったという問題もある。自民党と社会党が日本の政治を代表した、いわいる55年体制においては、政権交代が現実的なテーマではなかった。そのため、野党を鍛える言論空間の意味は乏しかったのかもしれない・・
・・この状況からの脱却には、学界にも言論界にも、相応の責任があるといわねばならない。今後は学界・言論界が野党の議員や政策スタッフも巻き込んで、公共空間を通じた政策形成過程を具体的に提示し続けなければならない・・
夏椿
わが家の夏椿が、花を咲かせ始めました。今年は、冬の寒さか水やりが悪かったのか、枝の3分の2が枯れてしまいました。しかし、残りの枝が葉を広げ、つぼみをたくさんつけました。白くて美しいです。ただし、一日花なので、はかないものです。