静岡県幹部研修講師

今日11月18日は、静岡県幹部研修講師のため、静岡市まで行ってきました。会場とオンラインで、120人を超える職員が聞いてくださいました。

管理職の悩みには、時代が変わっても不変なものと、現在の日本社会の変化によるものがあります。そして、組織と職員の管理という内部問題と、地域の課題という外部問題があります。それを説明しました。
楽しくない内容が多いので、なるべく実例を入れて、共感を持ってもらえるように話しました。話が発散しないように骨子を配り、最初に「今日話すこと」を説明します。
私の思いは、伝わったと思います。鋭い質問も出ました。管理職の悩みは、共通しています。

英会話、拙くても自分の言葉で自分の文化を話す

11月1日の日経新聞夕刊コラム「プロムナード」、新見隆・武蔵野美術大学教授「総合芸術の夢」に、次のようなことが書かれています。

イギリスのステンドグラス作家、ブライアン・クラークとの交遊についてです。クラーク氏が来日して、新見さんと展覧会をし、大企業の重役たちに高級レストランで接待されました。共通の話題がありません。社交的なクラーク氏は、くだらない冗談にも楽しそうに相づちを打って愉快そうです。

その夜、二人でバーに行ったら、次のように言われます。
「リュウちゃん、奴らのような、最低な英語を絶対に使っちゃ駄目だぜ。日本のビジネスマンは、だからバカにされる。お前さんは文化人だ。英語は人まねじゃない。拙くても何でも自分の言葉で自分の文化を話す。それが真の文化だ」

黄色い用箋

リーガルパッドという商品をご存じですか。「伊東屋のリーガルパッド
普通の用箋は白ですが、これは黄色い用箋です。私も最初は「なんとケバケバしい」と思いました。ところが、意外と便利なのです。
原稿や講演の骨子を考えたりするときに使います。サインペンや太い万年筆です。思いつくことをバラバラに書くので、ええかげんなものです。白の用箋は、もう少し考えがまとまったときに、きっちりと書きます。半封筒に入れると、目立つのです。

用紙も筆記用具も、学生時代に、お気に入りのボールペンやサインペンはありませんでしたか。ほかの種類と、機能はほぼ同じですが。人間は気分で仕事や勉強をするものです。
残り少なくなったので、買いに行きました。1冊が50枚。3冊で1980円。

伊東屋は、外国人で賑わっていました。子ども連れも多いです。楽しそうに文房具を選んでいました。レジの前には列ができています。スマートフォンの画面を見せて、「これが欲しい」と注文する人も、店員と、片言の日本語と英語で通話しています。

(よけいなこと)
隣の建物が、ブルガリとティファニーです。伊東屋で買い物をする人が何人集まれば、それらの店の客1人分の購入額になりますかね。そしてそれらの店の売り上げと利益は、外国に行くのでしょうね。買う人が外国人旅行者で、消費税も日本には入らないし・・・

会社任せの職業人生

10月29日の日経新聞に「転職で年収増」最高の4割 求められる成果厳しく、降格や退職勧奨も」が載っていました。
・・・転職によって年収が1割以上増える人の割合が約4割と過去最高水準にある。人手不足やジョブ型雇用の広がりを背景に、働き手は転職に踏み切りやすくなっている。一方、外資系企業のように結果が出ない社員に降格や退職勧奨を実施する制度を国内企業の2割が導入する。人材流動化に伴い、日本の労働市場は変化している・・・

記事には、転職希望者が1000万人を超えたこと、正社員の転職率は7%を超えていることも書かれています。
他方で、思うような結果が出ないと給与が減ること。業務改善計画を会社とその社員とで話し合って作ること。それでも結果が出ないと、降格や勧奨退職があることも紹介されています。
社員の流動性の低さは、年収の差にも出ています。外資系企業の年収は部長職で1916万円で、日本企業の1408万円に比べ、4割上回っています。

世界11カ国の転職者を対象にした調査では、将来のキャリア形成のために実施していることはないという比率が、日本は30%、アメリカは2%、中国は3%です。他の国に比べても、日本だけが突出しています。
自分の職業人生を会社に任せていることが、現れています。

JICA「強靱な国・社会づくり」講師2

昨日午後は、国際協力機構(JICA)の「強靱な国・社会づくり」の講師を務めました。先日に続き、2度目です。
今回は「東日本大震災への対応」です。研修生たちが、このあと石巻市の被災地を見学するので、その準備としてです。

この内容は何度もやっているので、お手のものです。とはいえ、短時間で日本を知らない人に伝えることは、何度やっても難しいです。鎌田浩毅先生に作ってもらった、日本列島がいくつものプレートの上に乗っていて、その衝突と沈み込みで地震が起きることから話すのです。
要点を絞る、その他は大胆に削除する必要があります。

1時間の講義、30分の質疑応答です。
研修生からは、「どうして危険な地域に再度町を再建するのか」「政府が町の再建の場所などを決めず、住民の話し合いで決めたのは参考になった」「国土の復旧から生活の再建へ哲学を変えたことがよくわかった」との意見をもらいました。理解してもらえたようです。

昨日は、午前と午後と2回の講演でした。