産業支援のジレンマ

11月14日の日経新聞に「中小支援拡充、もろ刃の剣 倒産少なく、革新には足かせ 専門人材の育成課題に」が載っていました。

・・・中小企業の経営が正念場を迎えている。倒産件数は50年ぶりの低水準で推移するが、長引く新型コロナウイルス禍で稼ぐ力が衰えている。政府が19日にまとめる経済対策にも3兆円程度の給付金が盛り込まれる見通し。手厚い支援策はイノベーション(革新)を阻害する副作用もあるだけに、コロナ後を見据えて中小支援のあり方も軌道修正する時期に来ている。
「給付金はないよりはありがたいが、経営を浮上させる効果は期待できない」。富士国際旅行社(横浜市)の太田正一社長は話す・・・

コロナの影響で大幅な減収となった事業者に、政府は給付金を配って支援をしています。これによって、企業の倒産、失業者の増加を抑制しています。企業倒産件数は、1972年以来最小です。
ところが、このような支援は、競争に生き残ることができない企業を存続させる、革新や新陳代謝を阻害する場合もあります。すると、平時に戻った際に、これらの企業は生き残ることができません。難しいところです。