ドルショックから半世紀

8月2日の日経新聞オピニオン欄、藤井彰夫・論説委員長の「1971年真夏の衝撃 米中とドル、教訓今も」が勉強になります。若い人には歴史でしょう。一読をお勧めします。

・・・新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言下の東京五輪大会の開催。2021年の夏は日本人にとって忘れられない夏になるだろう。
今から50年前の1971年の夏もそうだった。キッシンジャー米大統領補佐官(国家安全保障担当)が極秘に中国を訪れ周恩来首相と会談。それを受けて7月15日にニクソン大統領は翌年の訪中を電撃発表した。1カ月後の8月15日、ニクソン氏は日曜夜の緊急テレビ演説で金・ドル交換の停止を宣言した・・・

あれからもう半世紀も経つのですね。私は高校生でした。キッシンジャー補佐官の極秘交渉で、ニクソン大統領が訪中することは、それなりの衝撃を持って受け止めました。
しかし、ドルショックの方は、それがもつ意味はわかりませんでした。まず為替相場の意味がわからず、「円高になると、1ドル360円が例えば200円になる」と聞いて、「なぜ円「高」といって、下がるの」という程度の認識でした。

この記事にもあるように、日本政府の関係者も何が起きるのか、よくわからなかったようです。
1ドル=360円で守られていた輸出産業が、変動相場の波に洗われることになりました。一つの経済的「開国」だったのですね。
現在では、定時のニュースで、円ドル相場と株式市場の動向が伝えられます。しかし、それまでは、1ドル=360円に固定されていましたから、円ドル相場のニュースはありませんでした。
日経平均株価を定時のニュースが伝えるようになったのは、いつからでしょうか。かつて気になって、NHKに問い合わせたのですが、「いつから報道するようになったかは、わからない」との回答でした。