街の数字に表れた働き方改革の進行

11月21日の日経新聞が「残業時間短縮 アフター5変革 働き方改革 データで読み解く」という興味深い記事を載せていました。

・・・残業時間の上限規制など働き方改革関連法が施行されて半年強がたった。6千万に達する働く人々のワークスタイルの変化は、様々なデータに如実に表れる。東京では繁華街に人が流れる時間が早期化。目減りする残業代を補うため副業サイトへの登録者数は右肩上がりで、空いた時間を使い「自分磨き」にいそしむ人も増えている。データを通して働き方改革の余波を読み解く・・・

詳しくは記事を読んでいただくとして、そこに付いているグラフがわかりやすいです。東京大手町と西新宿というオフィス街では午後7時代の人口が減り、銀座と新宿歌舞伎町という繁華街(飲み屋街)では増えています。

被災地の経済復興状況調査

東北経済産業局が、第9回グループ補助金(中小企業等グループ施設等復旧整備補助金)交付先アンケート調査の結果を公表しました。それによると、被災地4県(青森、岩手、宮城、福島)の状況は次のようになっています。

1 雇用
・東北4県の現在の総雇用人数は、昨年に続き、震災直前を上回った(100.8%)。
・ 雇用人数の動き(増減)をみると、東北地域では震災前の水準以上まで回復した事業者の割合が57.4%となっている。
・ 業種別に見ると、東北地域では、震災前の水準以上に回復していると回答した割合は建設業(65.5%)が最も高く、次いで卸小売・サービス業(61.2%)となっている。一方、最も低いのは水産・食品加工業(38.7%)、次いで運送業(48.1%)となっており、依然として水産・食品加工業の雇用回復が遅れている。

2 売り上げ
・東北4県の現在の総売上高は、震災直前を上回ってることが分かった(117.0%)。
・ 売上状況(増減)をみると、東北地域では震災直前の水準以上まで回復している事業者の割合が45.8%となっている。
・ 業種別に見ると、東北地域では、震災前の水準以上に回復していると回答した割合は建設業(74.1%)が最も高く、次いで運送業(58.2%)となっている。一方、最も低いのは水産・食品加工業(32.4%)、次いで旅館・ホテル業(34.1%)、卸小売・サービス業(34.8%)となっており、回復が遅れている。

3 売り上げが回復しない理由
・ 現在の売上が震災直前の水準まで回復していないと回答した事業者のうち、東北地域では「既存顧客の喪失」(35.5%)を要因として最も多く回答しており、次いで「原材料・資材・仕入れ等価格の高騰」が14.3%、「従業員の不足」が13.5%の順で続いている。
・ 東北地域で業種別にみると、「既存顧客の喪失」は卸小売・サービス業(42.7%)で、「従業員の不足」は運送業(37.1%)で、「原材料・資材・仕入れ等価格の高騰」は水産・食品加工業(25.3%)で、「風評被害」は旅館・ホテル業(24.4%)でそれぞれ最も割合が高くなっている。(要因は複数回答)

第一原発事故の映画

きょうの放課後、角川映画「フクシマフィフティ」の試写会に行ってきました。公開は来年3月とのことです。概要は、ウエッブサイト(のムービーリスト)で見ることができます。

事実を基にした物語で、ドキュメンタリーではありません。しかし、あの時、第一原発では何が起きていたか、所員たちは命がけで何をしていたかが、よくわかります。
大津波で電源を喪失し、真っ暗闇の中、原子炉の状態も分からない中、放射線量が上がり続けます。所長と作業員は、決死の作業を続けます。作業を邪魔する官邸と、当事者能力のない東電(映画では東都電力)本店幹部も出てきます。
水素爆発の映像、第一原発と原子炉の映像など、良く再現してあり、迫力があります。

そして、吉田所長役の渡辺謙さん、当直長役の佐藤浩市さんの演技は、すばらしいです。
この映画をどのように結末をつけるのか。原子炉建屋の水素爆発では、物語としては締まりません。見終わって私は「なるほど、このように締めるのか」と感心しました。ネタをばらしてはいけないので、そこは映画をご覧ください。

原発事故は、日本が忘れてはならない大事故です。しかし、大震災を経験した人も、原発事故の概要と全体像は、詳しくはご存じないと思います。また、8年以上の年月が経ち、記憶も薄れているでしょう。
制作者からは「後世に伝えるために作った」との紹介でしたが、まさにその意義があると思います。映画の迫力はすごいですね。書物で読む人は多くないでしょうが、このように映画なら多くの人に見てもらえます。
良い映画を作ってくださいました。

この映画はドラマなので、第一原発の事故と作業員の働きに焦点が当たっています。
このほか原発事故に関して知ってもらいたいことに、避難を余儀なくされた多くの住民の行動と苦悩、復興への取り組み、そして第一原発の廃炉作業もあります。それらを、一本の映画に盛り込むことは難しいですが。
お勧めです。公開されたら劇場に行ってください。

戻りつつある福島への旅行

大震災以来、福島への旅行客が減っていました。徐々に、元に戻りつつあります。一般の方に比べ戻り方が遅かった、教育旅行(修学旅行など)も、約7割まで戻りました。「NHKニュース」。

もっとも、まだ7割しか戻っていないと言うことです。
福島の修学旅行といえば、会津若松市の鶴ヶ城が有名です。そして、会津地方は、原発事故による放射性物質の影響はありませんでした。しかし、多くの学校が、旅行をやめました。
話を聞くと、父兄の中に少数でも反対する人がいると、先生たちも無理をしないとのことです。残念ですが。
全く問題ないことを皆さんに理解してもらい、旅行客が元に戻り、さらに増えることを期待しています。

第一原発と第二原発視察

今日は、東電福島第一原発と第二原発を視察してきました。

第一原発は、かつてのような服や靴下を着替え面体をつけることはなくなり、多くの場所で普通の工事現場になっています。
3号機の使用済み核燃料の取り出しが進んでいます。また、第1号機と第2号機では、燃料取り出しのための準備工事が行われています。
燃料取り出しの次に、溶け落ちた燃料の取り出しをします。これには、難しい技術と長期間の作業が必要です。

第二原発は、全く問題ない原発ですが、廃炉が決まっています。技術的には第一原発より難しくないようですが、同時に二つの原発の廃炉作業は難しいでしょう。

これから30年40年もかかる作業です。すると、作業の工程管理と共に、技術者の確保、それを管理する職員の養成が重要です。あの大事故を知らない世代に、この作業を引き継ぐことになります。
そして、作る作業は喜びがあることに比べ、壊す作業は元気が出ません。しかし、作業員の皆さんには、例のない難しい作業に取り組んでいる、世の中のためになるという意識で頑張ってもらいたいです。