被災者へのゆがんだ視線

4月15日の福島民友新聞が、「復興の道標・不条理との闘い」「笑顔は困ると中傷 被災者へゆがんだ視線」を報道していました。
・・・「おまえたちが笑顔では困る。泣き悲しんでいないといけないんだ」。NPO法人ハッピーロードネット(広野町)の理事長・西本由美子(63)はある時、こんな中傷の電話を県外の男性から受けた。
本県沿岸部を南北に貫く国道6号の環境美化に取り組む清掃ボランティア活動「みんなでやっぺ!きれいな6国」を、浜通りの各青年会議所と協力して実施している。
高校生らが、自分の通学路のいわき、広野、南相馬、相馬、新地5市町でごみを拾っているが、これに対し「子どもを被ばくさせる殺人者」などと国内外から活動を批判、中傷するファクスやメール、電話が殺到した・・・
・・・「泣き悲しんでいないと困る」との中傷もその一つだ。国の原子力政策への不信感などを背景に、東京電力福島第1原発周辺地域を「原発事故被害の悲劇の象徴の地」として固定しようとする外部からのゆがんだ思いが、県民を苦しめる。西本は「原発に賛成、反対とは関係なく、私たちがここで生活しているということを分かってほしい」と願う・・・

「被災者に寄り添う」と言いつつ、一部の人ですが、被災者を傷つける言動をする人がいます。また、結果として、被災者の自立を妨げている言動もあります。「支援」が、被災者を「被災者という状態に固定してしまう」ことになっているのです。