原発事故放射線量の減少

原子力規制委員会が、福島第一原発周辺の放射線量地図を公表しました。毎年この時期に、公表しています。
4ページ目を見ていただくと、事故直後に比べ、線量の高い地域が劇的に減っています。このことで、避難指示を解除し、住民に戻ってもらえるようになったのです。
事故直後に「この後どうなるんだろう」「人は住めるのだろうか」と議論していたことが思い出されます。もっとも、まだまだ線量が高く帰還の見通しが立たない地域(地図では赤と黄土色の区域)もあります。
71%の減少だそうです。放射性物質の物理的減衰だけだと59%ですが、雨に流された、地中に潜った、除染したことなどで、さらに減ったようです。放射性物質、これは目に見えな小ささですが、土にくっついてしまいます。なので、風が吹いても飛ばず、雨で水に溶けることもないようです。ただし、泥水になって流れ出ることはあります。透き通った水なら、含まれていないので安全です。

新3K産業

「新3K産業」って、知っていますか。かつて流行した「3K」という言葉は、労働環境や作業内容が「きつい 」「汚い 」「危険」(あるいは暗い)職場を指しました。その頭文字Kをとった造語です。
それに対して、新3Kは格好良いですよ。「カッコよくて」「稼げて」「革新的」です。2月8日に紹介した「新しい東北顕彰」のうち、「フィシャーマン・ジャパン」の紹介文に出てきます。漁業を、新3K産業に変えようという挑戦です。
地域産業が栄えるかどうかの一つの試験紙が、後継者がいるかどうかです。「俺の息子には後を継がせない」では、衰退します。「東京に行くより、役場に就職するより、ずっと稼げる」となれば、若者は戻ってくるでしょう。そのような養殖漁業もあります。もっと広がることを期待しています。

カタカナ英語をひけらかす人

読売新聞連載「時代の証言者」は、松永真理さんです。携帯電話でインターネットを見ることが出来る「iモード」の開発者です。リクルートからNTTドコモに転職します。そこで直面した職場文化の違いを述べておられます。2月11日「まいった、言葉が通じない」から。
・・・まいったのは、「言葉」が通じないことです。私の知らない3種類の言葉が使われていました。「マッキンゼー語」「NTT語」「技術語」と、ひそかに名付けていました。
「マッキンゼー語」とは、当時、ドコモのコンサルタントをしていた企業の人が使っていた言葉です。
「今回のアジェンダは、オンデマンド型サービスをユーザーにどうアピールするかのストラテジーを考えること。アベーラブルな日程は・・・」
なぜ、英語の単語ばかりを並べ、日本語はつなぎとしてしか使わないのだろう。不思議でした。
逓信省をルーツに持つNTTの言葉も、私には理解できません。古びたお役所用語が生きていました・・・

この後は、原文をお読みください。役所でもいるんですよね、やたらとカタカナ英語を使って、エエカッコする人が。

復興庁5年、私のインタビュー

河北新報の復興庁5年の連載に、登場しました。
2月11日は、「司令塔 評価と課題(中)変質」です。
・・・「自由主義経済の日本の哲学を変え、新たな災害復興の形を創った」
復興庁の岡本全勝前事務次官は2016年6月21日、退任の記者会見で強調した。
従来の概念を覆し、産業やコミュニティー再生にも国費を投入した東日本大震災からの復興。発生直後から政府の事務方を仕切り、先導したのが岡本氏だ。「霞が関の治外法権」と庁内外で呼ばれた。
現場嫌いと前例踏襲。官僚の習癖が非常事態の障壁になると感じた岡本氏は、被災地に職員の視察派遣を何度も繰り返した。
「仮設住宅の前では、きれい事だけでは通じない。何らかの答えを出さざるを得ないはずだ」。狙いは当たり、グループ化補助金など前例のない施策が省庁から提案される。岡本氏は首相や与党幹部と掛け合い、実現の道筋をつけた・・・

2月12日は「司令塔 評価と課題(下―1)前復興庁事務次官 岡本全勝氏に聞く」です。
・・・復興庁の5年間の取り組みをどう評価するか。
「全体的に及第点をもらえると思う。職員が何度も被災地を訪れ、被災者と首長の意見を聞き、信頼関係を築いた。インフラ再建に限定された従来の災害復旧から踏み込み、産業、コミュニティーの再生も担った」
「国が手を出さない分野や省庁間の隙間を埋めた新たな施策は、霞が関の司令塔、調整役として機能した証しではないか。グループ化補助金はコペルニクス的な発想転換であり、東京の大手企業と被災地の企業をつなぐ民間コンサルタントのような役割も果たした」・・・

・・・過疎化が進む中、巨費を投入しての高台移転に将来を懸念する声がある。
「離島から山奥まで道路、上下水道、学校を整備したのが、戦後の日本という国のかたち。憲法には書いていないが、上位概念にあると思う。どこに住んでも普通の暮らしをさせることが戦後の行政。東日本大震災の復興は、その延長線にある。費用対効果で測れない、国のかたちだ」・・・

詳しくは、原文をお読みください。