福島から

今日も福島で、携帯パソコンを使って記事を書いています。
毎週月曜朝に、新幹線で東京駅から福島まで来ています。発災以来ほぼ6年、東北新幹線に何度乗ったでしょうね。去年の夏からは、毎週、利用するようになりました。
東京駅を出発してしばらくすると、東京から埼玉県に入る際に、荒川を渡ります。天気が良いと、西の空に富士山がくっきり見えます。きれいなものです。このあたりでは新幹線は北西に向かって走り、また荒川の上とその先には視界を遮るビル群がないのです。埼玉県内にも、富士見という地名があるのが、理解できます。冬は、空気がきれいで、よく見える回数が多いのです。
先週は、那須高原を過ぎると、一面の銀世界でした。今日は、福島は雪がちらつきました。気温は昼でも氷点下前後でした。

砂原庸介准教授、内閣のあり方

先日、砂原庸介先生の日経新聞経済教室「個別政策、パッケージで議論」(1月10日)を紹介しました。その補遺を、ブログで書いておられます。「日本経済新聞「経済教室」への補遺」。
本文を読んでもらうとして、ここでは、次のような部分、内閣のあり方についての指摘を紹介します。
・・・もともと論じたいなあと思ったのは大きく二つあって,ひとつは複数の省庁にまたがる複合的な政策を決定するときにどういう問題があるか,どのように決定するか,ということ。もうひとつはそういった問題への対応という意味もあって実現した(と考えられる)2015年の内閣府改革の成果を紹介したいことでした。
後者については,しばしば「内閣府のスリム化」として議論されてきた話ですが,それは単に業務量を減らすというだけの話じゃなくて,背景には各省にわたる調整を首相のもとで実施しようとしていたことがあります。調整案件が増えると首相と官房長官の時間資源がどんどん侵食されていくわけですが,この改革では各省大臣に総合調整の権限を与えることで首相を相対的に身軽にして,代わりに相対的に「重い」大臣を設置する可能性が開かれることになりました。まあまだ明示的に使われているとはいえませんけど,非常に意義の大きい改革だと考えられるわけです。
なお,実質的にすでにそのような大臣が出現している可能性を指摘しているのは御厨貴先生だと思います。『政治の眼力』で菅官房長官や麻生大臣,甘利大臣(当時)をシニアミニスターと呼んでいるのがそれにあたります。TPPを担当していた甘利大臣はまさに拙稿で指摘したようなそういう性格を持っていたように思いますが,その辺もう少し分析できるかもしれません・・

「明るい公務員講座」単行本作業

連載「明るい公務員講座」を、本にする作業をしています。この週末に、最後の校正を終えました。
昨年秋から作業に入りました。出版社と相談し、分量も考えて、初級編35回のうち、ほぼ21回分を加筆して1冊にします。各回を並び替え、6つの章に構成しました。文章も加筆、というより削減し、磨き上げました。出版社の校閲の方に手も入れてもらい、ほぼ完成です。
目を通す度に、気になるか所が出てきます。「離れてみてみると、違ったことが見えてくる」という良い例です。とはいえ、これで手を放すことにします。
本屋に並ぶのは、2月か3月でしょうか。乞うご期待。

寒い日、玄関の椿

寒い日が続いています。北日本では大雪も。皆さんの地域では、どうでしょうか。被害が大きくならないことを祈っています。
子供は元気ですね。今日も、孫に遊んでもらうために、公園にお付き合いしました。「お家へ帰ろう」と言っても、なかなか許してくれないのですが、北風が冷たく、家の中へ。
玄関横の椿は、きれいな赤い花を1輪咲かせました。去年夏に、注意して枝を剪定したのですが。それでも切りすぎたようで、お向かいのお師匠さんに、教育的指導を受けました。膨らんだつぼみもいくつかあるので、それなりに花を咲かせてくれるでしょう。
ところで、対にして植えてある、2代目夏椿は枯れてしまいました。残念です。

日本独自のもの、多い首相の議会解散

先日、日経新聞連載「日本の政治ここがフシギ」、第3回「議論深めぬ廃案戦術 「日程闘争」が常態化」を紹介しました(1月17日「日本独自の慣習、国会の会期」)。20日は、第5回「強すぎる?議会解散権  熟慮遮る選挙の影」でした。
・・・「解散風」。日本の政治ニュースではよくこんな言葉を目にする。最近では2009、12、14年と2~3年ごとに衆院解散があった。主要先進国をみると、ここまで頻繁に解散をする国は珍しい。世界では解散は時代遅れになりつつある・・・
・・・主要7カ国(G7)のうち、解散の制度があるのは米国を除く6カ国。過去60~70年でドイツは3回、フランスは5回しか解散していない。英国は11年、解散を任期満了か下院の可決時に限る法整備をした。安定政権で財政再建に取り組む目的だが、連立与党が「抜き打ち解散」封じを求めた面もある
・・・日本は47年の憲法施行後、解散は23回に上る。首相の主体的な判断で憲法7条に基づいて天皇の国事行為として解散する「7条解散」が定着し、回数は多い。解散権は首相の「伝家の宝刀」「専権事項」といわれ、いわゆる「大義」がなくてもいつでも国民に信を問える政治的な武器・・・
・・・「選挙が遠いなら、もっと政策に力を入れられるのに」。昨年暮れ。ある野党議員は地元で支援者との忘年会をハシゴして嘆いた。昨年は7月の衆参同日選、17年初めの解散が噂され、文字通り「常在戦場」だった・・・

政権の安定のためや、重要政策について民意を問うために、首相の議会解散を柔軟に認めるのか。議員が腰をすえて政策議論できるように、首相の解散権を制約するのか。
安定して政治を行う観点から、かつては首相がしばしば交代した日本の特性とともに、安定した国会議論や「政治における期間」というものをどう考えるかです。