漢字の威力

「オートファジー」という言葉が、突然ニュースに出てきて、世間に知られることになりました。ノーベル賞とマスコミのおかげです。
ところで、このカタカナ、多くの人は意味を理解できないでしょうね。日本人の多くは、オートは「自動」だと推測します。ファジーは、少々カタカナ英語を知っている人なら、「あいまい」と理解するのではないでしょうか。インターネットで「ファジー」を検索すると、「ファジーとは英語の“fuzzy”からきたカタカナ英語で、英語同様「あいまいな」「ぼやけた」といった意味で使われる」と出てきます。
この言葉は、ギリシャ語から作られた言葉だそうです。英語圏の人も、「Autophagy」と聞いて、細胞内のタンパク質分解機能ととわかる人は、どれくらいいるのでしょうか。
ところが、これを漢字にすると「細胞の自食」で、何となく細胞が自分を食べるんだとわかります。もちろん、正確な理解ではありませんが、少なくとも細胞の話、生理学の話なのだと当たりがつきます。免疫でのマクロファージ(Macrophage)を知っている人もおられるでしょうが、これも「食細胞」と漢字にすると、何となくわかります。
カタカナ英語は勉強したときは理解するのですが、しばらくすると、意味を思い出せないのです。それに比べ、漢字って、すごいですよね。表意文字と表音文字の違いでしょう。
IT用語もカタカナ英語でなく、漢字にしてもらうと、私たちも理解しやすいのですが。ネット、メール、アドレス、ファイル、アップ、サイト、ウインドウ、プロバイダー、サイバー、ラン・・・(2016年10月5日)