責任者は何と戦うか、その11。自分と戦う、2

さて、自分との戦いに、もう一つの場面があります。評価と判断を間違わないことの前に、それを作る環境を整えることです。
責任者は上に行けば行くほど、忙しくなります。しかし、1日は24時間しかありません。限られた時間を、どのように割り振るか。何を自分で処理し、何を部下に任せるか。そして、誰に任せるか。この判断です。
全ての書類に目を通し、全ての会議に出席し、全ての面会希望者に会い、全ての電話に応対する。全能の神ならぬ身、そんなことはできません。すると、秘書官・補佐官に、その割り振りを委ねなければなりません。
また、全ての分野に通暁することも、全知の神ならぬ身、それは困難です。その分野に詳しい者に、処理を委ねるか、問題点の整理を行わせます。誰に、それを任せるか。
さらに、すり寄ってくる人たちの内、意見の違う人の提案を退けなければなりません。八方美人はできません。
時間の割り振り、仕事の割り振りと切り捨て、取り巻きの割り振りと切り捨て。これもまた、難しい決断です。