日本語に守られる日本的思考

新聞には、論壇誌を紹介する欄があって、1月に一度、各論壇誌から主な論文を紹介しています。たくさんの雑誌に目を通す時間のない私たちにとって、便利なものです。ところで、読売新聞には、「海外メディア」の欄があって、海外の雑誌や新聞の論説を紹介しています。ハタと、思い当たりました。多くの日本人は、国内の新聞と雑誌しか、目を通していないのですよね。
もちろん、英字新聞や雑誌に目を通している外国通のインテリも、たくさんおられるでしょう。しかし、政治・行政・経済界で、毎日定期的に幅広く海外メディアとその論説に目を通している人は少ないでしょう。自らの本業関係には、それぞれ目を通しておられるでしょうが。
すると、どうしても、国内だけの視野と発想になります。政治・行政そして学界(文系)・メディアが、日本語=日本国内だけの世界に閉じこもっていることを、私は「日本語という非関税障壁に守られた世界」と、表現しています。
読売新聞のほかに、インターネットの会員制情報誌「フォーサイト」に、会田弘継さんが「国際論壇レビュー」を書いておられます。なるほどと思うことが多く、勉強になります。