復興交付金、事務手続の簡素化

復興交付金などの手続に関して、「手間暇がかかる」など批判を頂いていました。地方自治体の意見を聞いて、手続を簡素化しました。書類の数を減らし、添付する地図を簡単にしました。
第一回目は、国の職員も、自治体職員も初めてのことなので、いろいろ試行錯誤をしました。徐々に軌道に乗ってきたので、これからは、最初のような混乱はなくなると思います。

画面の文章は読みにくい

私は、パソコンの画面で文章を読むのが嫌いで、少し長めのメールやページは、紙に印刷して読んでいます(もったいないので、使用済みの片面印刷の紙の裏を使っています)。
画面では読みにくいのは、ディスプレイと紙との違いだけでは無さそうです。酒井邦嘉著『脳を創る読書』(2011年、実業之日本社)が、参考になりました。表題につられて買ったのですが、内容は副題にある「なぜ「紙の本」が人にとって必要なのか」でした。「なぜ画面上では見落とした誤字が紙の上では見つかるのか」「それでも「電子」より「紙」の辞書の方が便利」「紙の本にはどんな強みがあるか」という見出しを見ると、想像していただけるでしょう。
スクロールを続け、どこまで行ったら終わるかわからない、今どのあたりを読んでいるかわからない書類は、困りものです。
パワーポイントが嫌いなことは、かつて書きました(2011年11月6日)。もっともパワーポイントは、紙に印刷しても嫌いです。

昨日までの苦労、今朝の解放感

東大出版会PR誌『UP』4月号に、齋藤希史先生が「走馬看花」を書いておられました。この四字熟語は駆け足で観光するという意味ですが、その典拠である、孟郊の唐詩「登科後」についてです。

昔日齷齪不足誇
今朝放蕩思無涯
春風得意馬蹄疾
一日看尽長安花

インターネットで「登科後」を検索したら、たくさんの方が書いておられます。例えばこれ
試験に受かって、このような晴れ晴れとした気分になった人も多いでしょう。特に、作者の孟郊は40歳を超えて、超難関の科挙に合格したのですから。
もっとも、合格したら終わりでなく、仕事場では次の苦労が待っているのですが。合格したばかりの若者に、それを言うのは酷ですね。
毎日あくせくしている私には、前の2行(起・承)のような感慨にふけることができる日が、いつ来るのでしょうか。

国会班の活躍

今日は、復興庁の国会班の中締め会に、呼んでもらいました。この半年間に、新規立法を3本、しかも期日内に成立させた、縁の下の力持ちです。
毎朝、大臣にその日の質問通告と、それに対する答弁資料を説明します。それを、明け方までかかって、整えてくれるのが、国会班です。大臣に説明する際、資料がまだ温かいときがあります。コピーをしたばかりということです。私が朝出勤すると、机の上でうっぷして、意識不明の状態になっている職員も多いです。
国会開会中は毎晩遅くまで、所管委員会の質問が出るのを待つほか、他省庁の委員会から質問が飛んでくるのを、待っています。よって、全員がそろって飲みに行くこともできません。今日は、あす国会での質疑が予定されていないので、決行しましたが、全員はそろわず。

他省庁では、文書課とか総務課と呼ばれています。私は総務省で、2年半にわたって、総務課長を務めました。これは得難い経験です。
復興庁は新設の組織なので、これまでの組織的蓄積がありません。他省から経験者に来てもらって、回してもらっています。組織にあっては、このような「知恵と経験の蓄積」Institutional memory)が、案外と重要なのです。会社にあっては、「社風」というのでしょうか。マニュアルにできる部分と、できないことがあります。マニュアルにできることは、「手引き」として庁内に配りました。