省庁間の調整

古なりましたが、4月3日の日経新聞に、「中教審、振興計画で素案」「教育予算増、盛り込めず。財務省が反発、目標設定を断念」が載っていました。この計画は、今後10年の教育政策の針路を示すもので、教育予算の増額を数値目標として盛り込めるかが、議論の焦点だったそうです。計画は閣議決定されるので、各省協議をしたところ、財務省の反発で書き込めなかったとのことです。
審議会委員である片山善博教授は、「省庁間の裏の折衝で決まるなら、審議会はいらない」と、不満を述べられたそうです。
文科省など各省が、予算を増やそうというのは当然のことです。一方、財務省が予算を抑えようとすることも、当然のことです。それぞれ、それが省の使命なのですから。問題は、省の間で対立する案件を、誰がどう調整するかです。今回は、世間に出る前に、官僚同士で話をつけたと思われます。これまでは、それで良かったのかも知れません。しかし、文科省が負ける形で決着すると、審議会員からは不満の声が出るでしょう。何のための審議会か。それなら、審議会を使わない方が、エレガントです。
他方、道路整備計画は、10年間でほぼ道路特定財源を使い切る形で、作られました(もっとも、福田総理が見直す旨を、表明しておられます)。国民からすると、責任ある大臣同士が議論して決めたのなら、それはそれで納得できるでしょう。不満があれば、その政治家と内閣にぶつければいいのです。しかし官僚が、国民から見えないところで調整していると、「なぜ」と疑問がつくと思います。また、理屈や経緯がわかりません。
どのような案件を、官僚同士で決着つけるのか、どのような案件は、大臣が決めるのか。それが問題になります。