2月16日の日経新聞1面は、「安住の家なき氷河期世代 所有率低下 40代は6割切る」でした。
・・・40〜50代の持ち家率が急低下している。国の最新の調査では全世代平均は横ばいだが、30年前と比べ10ポイント前後も下がった。このまま高齢期に近づく人が多い。今のこの年代は就職氷河期世代といわれ、就職難に見舞われた。現在も経済的な苦境は続いており、老後の年金も多くを望めなければ賃貸に住むこともままならない。「安住の家」を求めてさまよい続けることになる。
内閣府によると、就職氷河期世代はおおむね1993〜2004年の間に社会に出た人を指す。日本総合研究所の下田裕介・主任研究員は「全体では2000万人を超えるとみられる」と分析する。実に総人口の6分の1だ。
5年に1回実施される総務省の住宅・土地統計調査では、持ち家率が最新の23年で40代58%、50代65.5%。30年前と比べ、いずれも10ポイント前後も低下した。ほかの世代と比較しても低下幅が大きい。
氷河期世代の持ち家率低下の一因と考えられるのが経済的苦境だ。文部科学省によると、大卒の就職率はバブル期の91年卒に比べ5〜26ポイントほど低い。就職できても収入は伸び悩む。厚生労働省によると、40代から50代前半の年収増加率は23年までの10年、ほかの世代より低く推移した。
年収の低迷は住宅の購入を抑制した。総務省の国勢調査で20年時点の男女の未婚率を30年前と比べると、全世代では1.2〜3.1ポイントの上昇にとどまっているのに対し、40〜50代は10.3〜21.5ポイントも上がった。「経済的に不遇で結婚できなかった人が多かった点は見逃せない」(下田氏)。住宅購入の大きな動機でもある結婚や出産の機会が訪れなかった人も多い・・・