隈研吾さん、建築家の仕事に見る社会の変化2

隈研吾さん、建築家の仕事に見る社会の変化」の続きです。
・・・建築設計の世界は、技術を身につけて独立することへのハードルが低い。組織を柔軟に大きくも小さくもしやすい。
ただ日本では、転職をしやすいはずの業種や職種でも、柔軟な組織運営ができなくなっているんじゃないでしょうか。たとえばゼネコン(総合建設会社)の設計担当者も、簡単に独立開業できるはずなのに、そうしない。日本の大企業の終身雇用文化を共有している、というか、させられちゃってるんでしょうね。

大企業とのお付き合いで感じるのは、判断が硬直的で決定が遅いことです。誰かがリーダーシップを持ってばんばん言い、決断していく雰囲気をあまり感じません。時代の変化が激しい中、それでついていけるのでしょうか。

地方の小さな役所の仕事をして感じたことがあります。東京の人より終身雇用から自由で、一緒に仕事をして面白い人が多いんです。地方の役所には自宅で農業などをしていて、役所を辞めても家の生業で暮らしていける人が少なくない。実際、定年前に辞める人も多い。いつでも辞められると思うと、自由に考えて決められるんじゃないでしょうか・・・