市場が自由なだけでは、社会は良くならない

ハジュン・チャン著『世界経済を破綻させる23の嘘』(2010年、徳間書店)が、頭の整理になりました。新聞の書評などでも取り上げられているので、読まれた方もおられると思います。著者はソウル生まれで、ケンブリッジ大学准教授です。あまりに単純化された「自由市場経済主義」の問題点を、具体例を挙げながら論破します。取り上げられている項目=通説=嘘は、次のようなものです。
市場は自由でないといけない。すべて市場に任せるべきだ。企業に自由にやらせるのが国全体の経済にも良い。経済を発展させるには小さな政府の方がよい。市場がうまく動くのは、人間が利己的だからだ。途上国は自由市場・自由貿易によって富み栄える。世界は脱工業化時代に突入した。
日頃変だなあと思っていたことが、なるほどと納得できます。ご関心ある方は、ご一読ください。