カテゴリー別アーカイブ: 下宿人のページ

私のHPには、下宿人が二人います。というか、いました。(歴史遺産)

米国まめ日記6

ゴルフ
 米国に来て約1年が経ちましたが、車社会の米国に来て以来、歩くことがめっきり少なくなるなど、慢性的な運動不足に悩まされております。体力の低下は否めず、最近では腰痛もちの仲間入りも果たすことができました。東京にいたころは、毎日の満員電車での通勤や帰り道のコンビニでの立ち読みなどで足腰が鍛えられていたんだなあと感慨深い今日この頃です。
 運動不足を自認している米国人たちは、よくジョギングしたりジムに通ったりしているようなのですが、私は、少しでも体力の低下を食い止めるべく、ゴルフをすることにしました(といっても元々していたのですが)。
 日本ですと「高い」とか「遠い」とか「ジジくさい」とか何かとネガティブなイメージのゴルフですが、こちらでは、そのようなイメージは薄いように感じます。まず、値段ですが、私が好んで使用するパブリックコースでは、休日でも30ドル~40ドルでプレー可能です。高級といわれているようなところでも100ドルはしないという印象です。安い!(※)
 また、自宅から車で10分くらいのところもゴルフコースがありますし、仮にゴルフコースが20マイル(1マイル=約1.6キロ)くらい離れていたとしても、車で30分くらいで到着します(自宅から20マイル圏内には多くのゴルフ場があります)。もちろん高速道路を使ってもお金はかかりません。近い&安い!
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 さらに、日本でゴルフをするとなると、相当前から予約が必要であったり、キャディさんがついたりと何かとめんどくさいことが多いのですが、こちらでは、3,4日前に予約を取れば十分ですし(場所によっては、休日でもその日に行ってプレーできます)、キャディなしプレーが基本です。お気楽!
 もちろん、私は、運動不足解消のためにゴルフをしているので、18H歩いてプレーすることを基本にしています。トータルで10キロくらい歩くことになるため、かなりいい運動になり、これ以上の体力低下はなんとか食い止められそうです。
 ゴルフは4人1組が基本であるため、2人や3人で予約すると、米国人といっしょにプレーすることになります。ジョインするのは学生のこともあれば、すでにリタイアした老人も場合もあり、ゴルフは生涯スポーツなんだなあという思いを強くします(女性が多いのも米国の特徴でしょうか)。一緒になった人達と話をしたりするのも楽しいものです。私の日ごろの仕事相手の官庁のOBの方とたまたま一緒の組になり、昔話を色々と聞かせてもらったこともありました。
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 ハーフでのビールやお風呂といった楽しみはないものの、米国でのゴルフは、体力の低下を食い止めるだけでなく「英語力の向上」をも果たすことができる、それはそれはすばらしいスポーツなのです。決して遊んでいるわけではありません。
 料金体系の多様さも米国の特徴です。これはゴルフに限りませんが。例えば、http://www.bullruncc.com/page/90-2364.htm参照。

米国まめ日記5

サクラ
 3月19日に始まった米英軍によるイラク攻撃(その作戦名「イラクの自由作戦」(Operation Iraqi Freedom))も、4月9日時点ではイラクの首都バグダッドが米英軍に制圧され、フセイン体制も事実上崩壊したとのことであり、終結に近づいているようです。
 この「戦争」の一当事者の首都ワシントンに暮らしていても、戦争を感じさせるものは、反戦デモ、戦争関連ニュースがほとんどを占めるニュース報道(ちなみにこちらのニュースでは天気予報の際、イラクの天気予報も流しております。)、タクシーの運ちゃんの世間話といったものであり、それらはきっと日本にいたとしても感じられるようなものではないかと思います。緊張感が非常に高まっているというような状況ではありませんが、そいうはいっても今は戦時下。そのような中、ワシントンでは、今年も「桜祭り」(National Cherry Blossom Festival)が予定通り開催され、多くの観光客等で賑わいました。
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 DCの中心にあるモールと呼ばれる公園地帯(モールの東端にある国会議事堂から西の端にあるリンカーン記念館までの距離は3.5Kmほど)にあるタイダル・ベイスンと呼ばれる池(ホワイトハウスの南側に位置する)の周りには、日米友好の証として1912年、当時の東京市長尾崎行雄から送られた桜の一部が植樹され、毎年春になると見事な花を咲かせています。
 そして、毎年その桜の開花時期にあわせ桜祭りが開催されています。桜は、タイダル・ベイスンの周りだけでなく、メリーランド州の高級住宅街(Kenwood地区)などでも楽しむことができます。外国、それも米国で日本と比べても遜色のない桜を楽しめるとは思っていませんでした。
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 日本と同じくワシントンでも桜は人気者で、米国では公共の場での飲酒が原則として禁止されているため日本の花見とは趣を異にするものの、米国人も桜の下を散歩したり、桜の木の近くでピクニックをしたりして桜を楽しんでいるようです。また、3月に入ったころから、米国政府の役人との会話の中にも桜がたびたび登場するようになります。「今年の桜はいつごろ咲くのだろうか」「タイダル・ベイスンの桜は元々日本が贈ってくれたものらしいんだけど、本当にいいものを贈ってもらったよ」などといったものなのですが、いつも仕事以外の会話のネタ探しに苦労している私にとって桜は正に救世主です。
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最近異動された方の挨拶の中に、「戦争、身内の不幸などなど、人の世の営みとは関わりなく、春は巡り、春が来れば桜は咲くのだ、と改めて自然の力に感服しております」という一文がありましたが、本当に自然の力は偉大であり、特に桜の花は、人々を引き付ける大きな魅力を持っているなあと強く感じました。
 しかし、桜の花の命は短く、タイダル・ベイスンの桜も、昨日降った雨のためだいぶ散ってしまったようです。私の米国役人との会話のネタ探しの旅はこれからも続くのでした・・・。
P.S.地球の歩き方の一コラムによれば、1943年の太平洋戦争の真っ只中、ジェファーソン記念館を作るためにタイダル・ベイスンの桜を何本か移動させた際には、桜愛好家が自分の体を桜の幹に縛り付けて抵抗したとのことです。米国での「戦時下」というのは、いつの時代も変わらないのでしょうか。

米国まめ日記4

道路ボコボコ
President’s Day(2月17日。米国では祝日)の前後、ワシントンは史上何番目かの大雪に見舞われました。雪は3日ほど降り続き、私の住んでいるメリーランドでは、25インチ(63.5センチ)ほどの積雪を記録いたしました。
雪に埋もれた稲熊家のビートル
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美人の奥さんを埋もれさすなよ!
今年のワシントンは例年より雪の日が多く、州や郡でも軒並み”雪かき予算”が底をついてしまっていた中、放っておくわけにもいかなかったのでしょう、不十分なりにも除雪車が夜通し働き、18日の朝にはそれなりに除雪が行われておりました。
しかし、大雪よりも私を驚かせたのは、除雪が終わった後の道路のボコボコさでした。除雪車の影響か、まさに穴ぼこだらけ状態。かなり危ない状態でしたし、実際、そのような道路が原因でパンクしている車も何台か見かけました。
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米国に来て以来、その道路のできの悪さには辟易しております。自動車社会の米国、その道路もさぞかしすばらしいものに違いないといった幻想は、来てすぐに打ち砕かれました。わき道はいうに及ばず、高速道路や幹線道路とて例外ではありません。全体的にでこぼこしていますし、大きな亀裂が入っていたり、穴が開いているといったことも決して珍しいことではなく、「あぶねーよ、おいっ」などと思ったことも一度や二度ではありません。そのような亀裂や穴の近くに裂けたタイヤが転がっていたりすることも多く、シャレになりません。車(特にサスペンション辺り)もすぐに傷みそうです。
拡大図
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そういえば、道路の水はけもかなり悪いです。ちょっと激しい雨が降るとすぐに道路が川又は池のようになります。雨&夜と悪条件が重なるとかなり危ないです。この辺にも米国におけるSUV人気の原因を見つけることができるかもしれません(本当か?)。
さらに、高速道路への入り口に合流のための車線がまったくないところがあったりと道路に対する不満はとめどなく溢れてきます。
日本の道路が懐かしい・・・。日本の道路建設の費用が諸外国に比べて割高などという議論があったように記憶していますが、単純に費用だけを比べて議論してはいけません(きっぱり)。品質も大切です。ただ、日本の道路建設の費用は単位当たり米国の9倍(「東洋経済」1993年10月号)とは、ちと高すぎるような気が・・・。

米国まめ日記3

一般教書演説と施政方針演説
 古い話で恐縮ですが、1月末、ブッシュ大統領による一般教書演説、小泉首相による施政方針演説が立て続けに行われました(それぞれ1月28日、1月31日)。米国ではイラク問題が、日本では経済問題が現時点での一番の関心事項になるのでしょうか。内容についてコメントする能力を持ち合わせていないので、内容以外で気づいた点についてコメントしてみたいと思います。
 米国における一般教書演説は、夜の9時過ぎから始まります。なぜそんな時間に始まるのか。それは、米国民が一般教書演説を聴く(又は見る)ことができるようにするためです(たぶん)。そのため、同演説は、CBS、abc等のネットワークにより全米中に放送されていました。特別番組として。
 本当に米国の人達は一般教書演説を聴いて(又は見て)いるのか。確かめたわけではありませんが、いつも髪を切ってもらう散髪屋さんによれば、一般教書演説の日には、同演説をテレビで見ることができるよう、教会での集会も早々と打ち切られたとのことでしたので、結構な数の人達がテレビで一般教書演説を見ていたものと考えられます(視聴率は分かりませんが)。
 一般教書演説に対するリアクションはどうか。米国では、一般教書演説の後のニュース又は特別番組で、一般教書演説の解説、批判等が行われていました。また、一般教書演説への感想等が通常の会話の中にも出てくることがあると感じました。
 ひるがえって、日本の状況、小泉首相による施政方針演説はどうでしょうか。その時間は?テレビ局の対応は?また国民の対応は?
 ブッシュ大統領による一般教書演説、小泉首相による施政方針演説、ともにそれぞれの国の方針を発表する最も重要な演説の一つであり、それぞれの国民にとって無関心ではいられないものではないかと思うのですが、両演説への対応には若干の違いがあるようです。

米国まめ日記2

米国のクリスマスと正月
 米国(ワシントン)で初めてのクリスマス&正月を経験しました。日本であれば、クリスマス→餅つき→年越しそば→紅白(ゆく年くる年+除夜の鐘)→初詣などと続いていくこの華やかな期間、米国ではどうなのだろうと密かに期待しつつ。
 が、過ぎてしまえば、クリスマスは思っていた以上に地味。ニュースでも、家族や内輪の者だけで過ごす人たちが多いと報道していましたし、みんながタキシードやイブニングドレスを着て一流ホテルでのパーティに参加しているわけではなかったようです。
 もちろん、普段よりは飲み歩く人たちの数も多かったようですが、日本のように多くの酔っ払いを見かけるということもありませんでした。そもそも、ワシントン周辺地区に新宿や銀座のようなところはありませんが。
ホテルの飾り付け
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 ただ、”各家庭のクリスマス電飾”はド派手なものでした。各家庭が競うようにツリーだの、トナカイだのの電飾をこれでもかっ~と見せつけておりました。これを見て、「電気代がかかりそうやのう」とか「京都議定書に署名しないわけだ」と思った日本人は私だけではないでしょう。ちなみに、それらの電飾は年を越しても残っていたりします。
家庭の電飾
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 大晦日から正月にかけての期間は、それはもう寂しいくらいに地味なものでした。普段とほとんど変わりません(そもそも米国で祝日は1月1日のNew Year’s Dayだけです。ただ、クリスマス時期から引き続きテレビで飲酒運転はやめましょうみたいな呼びかけをやっていましたので、夜遅くまで飲んでいる人も通常よりは多かったのかもしれません。)。米国での年越しといえばニューヨークのカウントダウンがまず思い浮かびますが、あれは例外だということがよく分かりました。
 ということで、こちらに来て1年足らずの日本人にとって、米国での初めてのクリスマス&正月は、ほとんどネタとはならない寂しいものとなってしまいました。また、ネタ探しの旅に出たいと思います。
P.S.クリスマス前後にクリスマスのリースをグリルにつけた車を数台見かけましたが、これは日本でグリルに(特に田舎のヤンキーを中心に)しめ縄をつけるようなものといえるでしょう。きっと。