日経新聞4月5日キャリアアップ欄は「営業力を極める・2人の達人に聞く」でした。
キリンビールの大山拓郎さん
・・・キーマンと面会する際には「聞き役に徹すること」を心がけている。営業なので売り文句もいいたくなるが、相手の不満や欲求をいかに聞き出すかを優先し、「半分以上はしゃべらない」。それが最後の決め手となる提案の種になるからだ・・・
東京日産販売の金谷直子さん
・・・その際、一方的に話して説得するのではなく、「何かお困りでは? 不都合はありませんか?」と質問する。顧客の悩みや疑問に対して、その都度説明し納得してもらうのがコツだ・・・
コンサルタントの青木毅さんによると。
・・・インターネットで情報が簡単に得られるようになり、説明型の営業は通用しなくなった。「商品の良さを説明し説得するプッシュ型の営業は昔のもの。物もあふれている今、人は自分に必要だと納得しなければ買わない」
納得してもらうには顧客の真の欲求を引き出す必要がある。質問を通じて、現状がどうで、どうしたいか、そのために何をしているかなど本音を聞き取る。全体を把握した上で解決策を示せば納得させられるという・・・
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生き様-明るい課長講座
初対面のこころえ
4月2日の日経新聞土曜別刷り「プラス1」が、「社会人デビュー!初対面の攻略術」を載せていました。初対面で気をつける点を、会社員1000人に聞いた結果です。
「会話・しぐさ」にあっては、言葉遣いは丁寧に、「でも」「しか」禁止、はきはきトークなどです。
「身だしなみ」は、口臭・汗・香水のにおいにご用心、ひげ・鼻毛は大丈夫?、清潔感で信頼度などです。原文をお読みください。
記事によると、佐藤綾子・日本大学芸術学部教授の実験によると、「頼れる」「まじめ」などの印象は、会ってから2秒でも10秒でも変わらないとのこと。第一印象は、2秒で決まるのです。また、印象を決める要素は、しぐさなど言葉以外が7割を占めるそうです。
「明るい公務員講座」でも、身だしなみについても、いずれ書こうと予定しています(第2章第3節)。
頑張るより結果
日経新聞3月22日「働きかたNext」「日本、こう変えよう」、新浪剛史・サントリーHD社長の発言「頑張るより結果で語れ」から。
・・・これからの日本人の働き方はただ頑張ろう、だけではだめだ。企業としては生産性を上げていかねばならない。
私はあえて社員に「頑張るな」と言っている。朝早くから「ひたすら頑張り抜く」という発想は古い。働いた時間に関係なく結果を出すことが大事だ。これからの日本は「ミッションコンプリート型」の働き方が重要になる・・・
スマートフォンのマナー
古くなって恐縮です。2月29日の日経新聞夕刊「常識ナビ」に、スマートフォンのマナーが載っていました。そこに紹介されている非常識は、次のようなものです。
・深夜0時過ぎに、部下が上司に送ってくるメール。
・送るメールに、タイトルも名前も書かない人がいる。
・会社を辞めたいという話を、メールで会社に伝える人がいる。
・商談や打ち合わせの最中に、スマホを使う。
・スマホには会社の情報や個人情報が詰まっている。他人が勝手に閲覧できないように画面ロックをかけておくことは社会人として必須。
人事異動
多くの職場で、人事異動の季節になりました。先日、楠木新著『左遷論』(2016年、中公新書)を読みました。で、今日は趣向を変えて、人事について書きます。この本は、左遷を軸にした、日本の企業での人事の仕組み、慣行を論じた本です。読んでいただくとわかりますが、日本の組織では、左遷はめったに起きません。よほどの失敗をしたか、ワンマン経営者ににらまれたときくらいでしょう。
本人は自分の希望のポストにつけないと、「左遷」と感じます。しかし、人事当局や上司からすると、組織の論理で人事異動を決めます。空いたポスト群に対し、異動対象となる職員群から、最適解を考えるのです。その際、個人個人の最適(部分最適)をすべてかなえることは難しく、全体として最適と考える人事異動(全体最適)を考えます。正確には、「不満を最も小さくする組み合わせ」を考えます。
他方で、異動対象の本人は、自分の実力を客観的評価(周りの評価)の1.3倍くらいに過大評価しているというのが、世間の通説です。この2つの要素によって、左遷でない異動を、本人だけが「左遷だ」と受け取ってしまうのです。この本の副題にあるように、「組織の論理、個人の心理」のずれが起きるのです。
さて、そこでの課題や対処方法は、2つあります。一つは、組織側の対策です。上司が異動対象者に、「これは左遷ではないのだよ」と、教えてあげることです。異動対象者がすねることが予想される場合は、難しい対話になります。
もう一つは、本人側です。自分の実力は、自分では見えないものです。いえ、見たくないものです。口では「私はそんなに優秀ではありませんから」と謙遜していながら、多くの人は内心で「俺様の実力は、こんなものではない」と自信(過信)を持っています。
まあ、人間とはそんなものです。自分自身に自信を持つことはよいことです。変に卑下する必要はありません。しかし、自信を持ちつつ、仕事場では困難な仕事から逃げていては、周りの人からは評価されません。実力は、仕事で発揮してこそ、評価されるのです。「内に秘めた能力」は、職場では、能力がないのと同じです。
もし、自分の意に反した異動があったら、つべこべ言わず、新しい職場で頑張りましょう。そこで腐っているようでは、あなたの評価は、ますます下がります。後は、ダウンスパイラルに陥ります。新しい職場で実力を発揮して、人事当局や上司に、「彼は、良くできるじゃないか」「今度は、××の仕事をさせよう」と言わせましょう。連載「明るい公務員講座」では、第14回(3月14日号)から、この話に入っています。