カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座

生き様-明るい課長講座

永守社長、続き

10月18日の読売新聞経済面、永守社長のインタビューの続きです。
・・・一時期、「灘高ー東大ーハーバード大」に象徴される「きら星」のような人材を採った。残念ながら幻想だったね。創業以来6000人を採用してきたが、学歴と仕事の成果に相関関係はない。だから教育だ。教育で人はガラッと変わる。
ただね、時間で働く方が楽だと思う。残業ゼロは楽をさせるためじゃない。あくまで飛躍への手段です。
これまでは能力が劣る人も長い時間働けば戦えた。しかし、もう延長戦(残業)はない。世の中の受けはいいけれど、社員は生産性を倍にする方がきついよ・・・
原文をお読みください。

次のようなことも。
・・・倒産しそうな会社は原因がある。職場が汚いとか、社員同士あいさつしないとか、資材を高く買っているとか、役員が平日にゴルフしているとか、共通点がある。それを改善することが大事です・・・

永守・日本電産会長、「朝まで働け」から「残業ゼロ」への転換

10月18日の読売新聞経済面「経営者に聞く」は、永守重信・日本電産会長です。「日本の働き方は根本から間違っている」と主張されます。

永守社長は、起業するときに、母親に「人の倍働けるか」と言われます。
・・・だから、僕は1日16時間働くことにした。小さな会社は大企業に比べヒトもモノもカネも劣る。でも1日の持ち時間は24時間で互角です。僕の経営者としてのベースは母にある・・・

その永守社長が、2015年に突然「残業ゼロ」を打ち出します。会社が成長し、連結売上高1兆円を達成した直後です。
・・・「朝まで働け」とかいっていたのに、全く逆の「残業ゼロ」を言い出すんだから、戸惑った社員もいたかもしれない。でも、7年ほど前から、1兆円企業になったらやろうと決めていた。
2000年代に入って、海外企業の買収を進めてきた。欧米の社員は残業しない。ドイツ企業なんて1か月も夏休みを取る。それでもしっかり利益を出す。
生産性が違うんだね。日本の働き方は根本から間違っていると思い知った。時間ではない、中身が濃くないとダメだと。
10兆円企業を目指しています。だから、今の働き方だと1兆円レベルで行き詰まると思った。1日は24時間しかないんだから。そこで残業ゼロ。最初は上司による定時退社の声かけから始めたら、あっという間に残業が3割減り、今は半分くらいになった・・・

年休取得

10月16日日経新聞夕刊のくらし欄は「有休 気兼ねなく取るには」でした。日本の労働者の有給休暇消化率は50%。100%のヨーロッパ各国、80%のアメリカなどに比べて、ダントツ最下位です。韓国も53%ですが。
・・・「たとえインフルエンザにかかっても出社する上席の社員の存在で、皆が有休を取れなくなっている」。地方の中小メーカーの東京出張所で働く事務職のA子さん(50代)は話す。少人数の出張所で働くのは長年同じ顔ぶれ。家族的ではあるが相互監視的でもあり、有休は取らないものという雰囲気が強い。今年A子さんが休んだのは1日、昨年も1日だ・・・
・・・日本人の有休休暇に対する感覚は独特だ。総合旅行サイトのエクスぺディアが16年に実施した28の国と地域を対象にした調査によると、有給休暇に「罪悪感」を感じる人の割合は59%と、韓国(69%)に次ぎ2位。上司が有休取得に協力的かどうかが「分からない」人の割合は32%と1位で、休暇についての職場コミュニケーション不足が浮き彫りになった・・・

今でこそ、こんなことを書いて、後輩たちに「年休取れよ」と勧めていますが。若いころはめったに休むことなく、長時間残業とともに、職場に尽くすことを誇りに思っていました。反省しています。

同じく18日の夕刊では、「パパの育休 取得の心得」が載っていました。
「取得する半年前など、早めに職場に伝えたほうがいい」というコツなど。これは、上司にとって重要なことです。どのようにして彼が欠けた穴を埋めるかを、考えなければなりません。また、自分の仕事を「見える化」しておいて、職場の上司や同僚がその仕事を引き継げるようにしておくことも、重要です。

作業の効率化、達人たち

日経新聞10月2日夕刊「常識ナビ」は、「TODOリストでNO残業実現」でした。仕事の効率を上げる方法を紹介しています。
朝、その日のリストと時間割を作り、夜、実際に同1日を過ごしたか、所要時間も含めて振り返る。これで、何が非効率か、あぶり出せるということです。
拙著『明るい公務員講座』、連載「明るい公務員講座・中級編」で書いていることと、同じですね。違いは、私の場合は「当日朝では遅い。することの予定は、前日にあるいは前の週に作ろう」です。
この記事には、他にも仕事を効率化する方法が書かれています。参考にしてください。

上司の一言が疲れを倍増

日経新聞(8月4日夕刊)に紹介されていたので、インターネットで調べました。養命酒製造が実施した「東京で働くビジネスパーソンの疲れの実態に関する調査」(有効回答1000人)です。
詳しくは本文を読んでいただくとして、「明るい課長講座」の視点から興味ある点を紹介します。

会社員の疲れの原因上位3つは、仕事関係です。その中でも、人間関係です。
1位、仕事の人間関係、44%。2位、仕事の内容、41%。3位、仕事の量、32%です。
上司に言われて疲れが倍増したセリフは、「常識でしょ/当たり前でしょ」が14%、「そんなこともできないの」13%、「前にも言ったよね」が12%、「自分で考えてやれ/勝手にやるな」が12%です。
上司の皆さん、気をつけてください。自分が部下の時に経験したことを、立場が変わると、忘れてしまうのですね。