カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

復興庁の評価

新聞では批判的な記事も見受けますが、岩手県知事は記者会見(5月7日)で、次のように評価してくださっています。
記者:今月10日で復興庁発足から間もなく3カ月迎えることになりますが、この間、復興交付金事業の申請等、いろいろあったと思うのですが、この3カ月で知事の復興庁の働きぶりですとか、もしくは岩手復興局のそういった所感があればお聞かせください。
知事:復興特区、それから復興交付金、かなり現地の事情に合わせたきめ細やかな事業の組み立てをやっていく上に当たって、復興庁の岩手復興局には大変いい仕事をしてもらっていると思います。まだ復興は初期の段階であり、特に今年度復興元年、これからまたどんどん特区申請、交付金の申請を行っていきたいところですので、市町村と県と国、行政がフルセットで被災地、被災者に寄り添っていくという形を更に強化していければと思います。
記者:それで、一方で復興庁発足当初、縦割りであったりとか、いろいろな課題が指摘されていたと思うのですが、この3カ月を見る限り、知事からご覧になりましてそういった課題というのはクリアされているのか、それとも何か注文つけるところがあればその点もお聞かせください。
知事:国としての主体性を持って、被災地の現場の状況を把握して復興事業を進めていくというところに復興庁制度の意義があると思っており、その意味で市町村、県、国、行政がフルセットで被災地、被災者に寄り添うという形をつくる中で、きちんと役割は果たしてもらっていると思います。

宮城県知事も、記者会見(5月7日)で次のように評価しておられます。
記者:復興庁に関して、今月10日で発足3カ月ということで、これまでの3カ月の評価をお聞かせ願いたい。
知事:全く新しくできた組織でありますので、復興庁・復興局の中(内部)自体で、まずは意思疎通を始めるところからスタートしたわけであります。当然そういう状況でありますので、発足当初は少しわれわれとの意思疎通が十分にできなかった部分もございますが、3カ月がたちまして相当落ち着いてきたと思っております。われわれに寄り添って、われわれの側に立って今一生懸命仕事をしてくださっていると感じておりまして、大変感謝をしております。

企業連携メールマガジン

復興に際しては、民間企業の役割も大きいです。企業の方と、被災地をつなぐために、復興庁では「企業連携推進室」をつくっています。また、民間企業から、社員を派遣してもらっています。このたび、関係の方々との情報交換のために、メールマガジンを発行することにしました。ご関心ある方は、お申し込みください。

フクシマ危機時のアメリカ政府の意思決定

月刊『フォーリン・アフェアーズ・リポート』2012年4月号に、前アメリカ国家情報会議の幹部であったジェフリー・ベーダー氏が「フクシマ危機を前にホワイトハウスはどう動いたか―米市民の保護か日米間への配慮か」を書いています。東京電力福島第一原発事故の際に、アメリカ政府はどう考えどう行動したか。日本政府から、情報が十分に伝わらない(日本政府も持っていない)場合に、どのように対応したかが、書かれています。
日本にいるアメリカ市民を対象とした避難地域の設定をする際に、日本政府が設定した半径12マイルではなく、半径50マイルの避難地域を設定したこと(ここには、アメリカ人がほとんどいなかった)。しかし、東京にいるアメリカ市民(約9万人)とその近郊にある横田と横須賀のアメリカ軍とその家族への避難指示は、難しい課題であったこと。すなわち、アメリカ大使館関係者や米軍の家族は避難を望み、一方でアメリカ政府が避難勧告を出すことの日本社会へ与える「非常に大きな衝撃=パニック」の可能性をどう考えるかという難問。そして、最悪のシナリオを考え、緊急避難計画を立案すること、それが漏れた場合の対処。
勉強になります。また、その担当者が、そのプロセスを公表することも。詳しくは、原文をお読みください(『フォーリン・アフェアーズ』は英語誌ですが、私は日本語訳の『フォーリン・アフェアーズ・リポート』で読んでいます。といっても、読まないうちに次の号が届きます。反省)。

被災地でのNPOの活躍

内閣府の経済財政運営統括官が「復興支援型地域社会雇用創造事業」をやってくれています(パンフレット)。平成22年に「地域社会雇用創造事業」という、地域社会における事業と雇用を生み出す事業が始まりました。その延長にあるもので、被災地での地域課題を解決する「社会的企業」の起業や人材育成を支援するものです。12のNPOなどの法人が選ばれ、その法人が個別の起業を支援する形です(概要)。
行政だけではできない支援を、NPOの力を借りて行おうとする一つの試みです。まだ、マスコミの取り上げも少なく、現地でも知られていないようなので、宣伝に努めなければなりません。

帰宅困難者対策

東京都が、「帰宅困難者対策条例」を制定しました。東日本大震災が発生した平成23年3月11日に帰宅困難になった人は、東京都で350万人だったと推計されています。その日の混乱ぶりは、報道が伝えたとおりです。
都は対策として、むやみに移動しないこと、従業員を帰さずに事業所内にとどめること、またそのために3日分の水や食料を備えておくこと、駅などでの客の保護、一時滞在施設の準備などを求めています。