カテゴリーアーカイブ:経済

経済財政運営政策と経済成長政策

2013年2月28日   岡本全勝

今日2月28日、平成25年度当初予算と合わせて、「平成25 年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」が閣議決定されました。これは、例年通りです。その中で、おやっと思ったことがあります。
「2 平成25 年度の経済財政運営の基本的態度」の中で、「財政政策」「金融政策」「為替政策」と並んで「成長戦略」が並んでいます。十分に調べていないのですが、近年あるいは過去の「経済見通し」閣議決定で、成長戦略が掲げられたのは、今回が初めてではないでしょうか。間違っていたら、ごめんなさい。
経済成長の「基礎」は成長戦略であり、「財政政策」と「金融政策」は景気調整に使えても、経済成長そのものには「効果が薄い」です。経済成長政策の上に、そして社会保障政策の上に、経済財政運営があるのでしょう。経済成長政策と社会保障政策のない経済運営政策では、限界があります。

狭い国土は言い訳にならない、オランダの農業

2013年2月4日   岡本全勝

1月29日日経新聞1面連載「ネット人類未来」は「賢い農業革命、狭い国土言い訳にしない」でした。
世界一の農業輸出国はアメリカです。では、2位はどこだと思いますか?私は、オーストラリアかなと思いましたが。
正解は、オランダだそうです。国土は九州ほどしかないのですが、輸出額は790億ドル(2008年)と、日本の30倍だそうです。ITを駆使した農業経営で、トマトでは単位面積あたり収穫量が日本の3倍です。
私は、このHPでも書いているように、日本の農業は、「稲作とそれ以外の作物」を区別して議論すべきであること、そして「産業としての農業とそれ以外の人(兼業や高齢者の農業)」を区別するべきこと、「農業と農地を持っている人」とを区別すべきであると主張しています。

ブランドを守る

2013年2月3日   岡本全勝

1月28日の日経新聞「経営の視点、ブランドを死守したネスレ」から。
・・数年前、ネスレ日本は、イオンと大げんかした。イオンがプライベートブランド(PB=自主企画)で、ネスレのチョコレート菓子「キットカット」に似た商品を発売し、大量に陳列した。しかもその横に本物のキットカットをわずかな量だけ並べていたのだ。
ネスレ側は、この「仕打ち」に激怒。イオンは売上高の約10%を占める最大の販売先だったが、一切の販促費を止めた。イオンにおけるキットカットの販売は減少。ネスレ日本の売り上げも落ち込んだが、平然とこう言い放った。「キットカットは中身をPBと入れ替えたとしても、必ず売れる」。その価値がわかっていないことへの抗議だった。
「本物ブランドは味と品質に優れるだけでなく、消費者の感情に入り込んでいる」とネスレ日本の高岡浩三社長は話す。グローバル成長には世界共通のメガブランド商品が不可欠。それを育てるには時に販売減のリスクを冒してでも、ブランド価値を守るこだわりが必要というわけだ・・
日本企業が、アジアで日本製品をまねた偽物や類似品に困っていますが・・・

日本の技術の実力

2013年1月27日   岡本全勝

日経新聞1月26日朝刊「アルジェリア人質事件」の記事によれば、世界の液化天然ガス(LNG)の製造設備は、日揮と千代田化工建設の日本の2社を含め、4社で世界の8割を占めているとのことです。
同じく「温水洗浄便座の開発」の記事では、発売以来30年で、7割の家庭で使われているとのことです。あのウオッシュレットの中に、160個の部品が詰まっています。

市場が公正に運用されるための、政府の役割と倫理

2012年12月1日   岡本全勝

11月28日の朝日新聞オピニオン欄「市場と政府と中央銀行」、ポール・ボルカー元アメリカ連邦準備制度理事会議長の発言から。
銀行から、投機的な活動を分離しようとしたボルカー・ルールが、まだ実施されていないことについて。
・・「(銀行が収益拡大のために自己資金で行う)自己勘定取引そのものが危険なものだ。それだけで金融危機が起きたわけではないが、危機の原因の一つだ。銀行は重要な公共サービスを行っているがゆえに世界中どこでも保護されている。規制されていると同時に、政府の安全網(セーフティーネット)の中に入っており、支援も受けている。
なので、本質的にはギャンブルである投機的な活動までも保護することは不適切だと考える。本来の銀行業務は、政府のセーフティーネットに入れつつ、投機的な業務はその外に置く。「機能を分けましょう」ということを言っている・・

ボルカー・ルールによって金融がリスクをとれなくなり、経済にマイナスの影響を与えないかという問に対して。
・・全くそうは思わない。これは、銀行の本来の業務とは何かという文化的、哲学的な問題と関連する。銀行は貸し出しを通じてリスクを取り、それによって社会に便益をもたらし、経済は成長する。だから銀行は政府から保護される。だが、投機が経済に重要なプラスの効果をもたらすと私は考えない。投機は続けていい。だが、それは銀行システムの外で行うことであり、政府の支援を受けるに値する活動ではない・・

銀行幹部の報酬が多すぎる状況を改善する方法について。
・・難しい問題だ。一昔前には、銀行界のみならず、法律家や会計士などにも、資産を預かっている顧客に対する責任や配慮、今とは異なる倫理観があったが、その復活に期待するのは夢なのだろうか・・簡単な答えはないが、報酬の問題はそうした倫理規範と深く結びついていると思う。大きな報酬をもらえるとなれば、倫理からはずれる誘惑も大きくなる・・

政府と市場の関係について。
・・私の考え方はやや古風なものだ。我々は、資本主義経済、競争がしっかりある状態を望んでいる。一方、政府には市場が公平に運営され、競争が確保されているか監督する役目がある。これはバランスの問題でもある。金融市場は、規制が少なすぎる状態になったが、過剰な規制もよくない。振り子のように振れる問題ではあるが、できる限り「中庸の道」を歩むべきだと思う・・