投稿者アーカイブ:岡本全勝

誰が、地域社会の問題を解決するか

2010年9月15日   岡本全勝

昨日の続きです。小中学校での問題行動、例えば、いじめ、教師への暴力、学級崩壊、さらには不登校など。これらの問題に、誰が取り組み、だれが解決するかです。
かつては、このような問題は、本人が悪い子であり、親のしつけが悪い、と片付けられていたのでしょう。しかし、これだけ数が増えると、一個人、一家庭の問題とは、言っておられなくなります。学校での問題だから、教師が悪い、教師の責任だとも、言っておられないのです。
では、学校での問題行動は、どうしたら減らすことができるのでしょうか。それを、誰が取り組むのでしょうか。教育委員会と教師に任せていては、改善しないでしょう。原因は、学校現場だけにあるのではないのです。

そこには、原因として、社会の変化があると言わざるを得ません。そして、家庭や当事者だけでは解決できない問題であるということは、個人の問題・自己責任の問題から、社会の問題に変化したのです。
たとえば、交通事故死者は、政府や自治体、国民の長年の取り組みで、大幅に減らすことに成功しました。速度違反や飲酒運転の取り締まり、シートベルトなど事故を起こしても安全な車の開発、信号機・ガードレールなど施設の整備によってです(2010年1月3日の記事)。

私は、「新地方自治入門-行政の現在と未来」で、地域の財産を、自然環境、公共施設、制度資本、関係資本、文化資本に分けて説明しました(p190)。そして、公共施設や制度資本はお金と技術があればできるが、関係資本や文化資本は人間関係であり、それをつくるのは簡単ではないと述べました。児童生徒の問題行動の多発は、この分野に属します。
しかし、地方自治体が取り組まなければならない課題です。もちろん、市役所だけで解決できるものではありませんが、地域の人たちや組織を巻き込んで、対策を考えることができるのは、市町村です。
地方自治体の仕事は、このような地域住民の不安を解消することに、重点が移っています。「モノを増やすことから、関係の充実へ」。これが、私の主張です。

児童の問題行動

2010年9月14日   岡本全勝

文部科学省が、子どもの暴力行為などの調査結果を発表しました(児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査)。それによると、平成21年度中の、小・中・高等学校での暴力行為の発生件数は約6万1千件です。うち生徒間暴力が3万4千件、対教師暴力が8千件もあります。器物損壊が1万7千件です。
小・中・高・特別支援学校での、いじめの認知件数は約7万3千件です。高等学校での不登校生徒数は約5万2千人、小・中学校の不登校児童生徒数は12万2千人です(8月5日発表)。高等学校での中途退学者数は約5万7千人です。小・中・高等学校で自殺した児童生徒は165人もいます。
これらの問題は、依然として減っていません。困ったことです。

学生の現場の声

2010年9月13日   岡本全勝

今日の放課後に、入校中の女性学生さんたち(第1部第2部特別課程)と、懇談する機会がありました。私は最近、自治体現場から離れているので、このような生の声は、勉強になります。皆さん中堅どころになっておられ、また自治大に入校するくらいの優秀な方々です。約30人のパワーに、圧倒されました(失礼)。
私生活や家庭でも、いろいろとご苦労をされています。それはさておき、職場でのご苦労を聞きました。多かったのが、一つには、窓口でのクレーマー対応、執拗な苦情電話の対応、モンスターペアレントです。もう一つは、職場でのうつ病職員、コンプライアンス違反への対応です。おわびの記者会見設営のプロも、おられました。児童虐待、定住外国人特にその子どもたちへの支援など、地域の困難もありました。多くの人が、それぞれに苦労しておられます。
住民の多くは、根拠なき思いこみや、一部の不届き者をみて、「地方公務員は楽な職場だなあ」と思っておられます。そんなことはないのですがね。私たちのPR不足なのでしょうか。また、職場の恥は外に出したくない、苦労は言わないという美徳を、守っておられるのでしょうか。
自治大学校での授業も、これら「職場と地域の困難」に力を入れつつあります。法制度や知識を授けるだけでは、実践的幹部研修にならないと、私は考えています。

週末の講義準備と原稿書き

2010年9月12日   岡本全勝

今月末から、月刊誌での連載を始めます。また、18日からは日本大学大学院での授業も始まるので、週末はかき入れ時です。平日夜は、お誘いが減らず、なかなか勉強の時間が取れません。原稿書きや授業の準備は、まとまった時間と考える場所が必要なので、週末をつぶすしかないのです。
これもしゃべりたい、あれもどこかに入れたい・・。こうして、講義ノートはどんどん膨らみ、収拾がつかなくなります。仕方なく、もう一度、講義目次(組み立て案)に戻って、削ったり項目を再配分したり。

自治大学校、学生による評価

2010年9月12日   岡本全勝

自治大学校では、教授たちの担当時間をもらって(削減してもらって)、私の講義を入れたりしているので、ますます忙しくなっています(自業自得)。しかし、自治大のカリキュラムを見渡すと、抜けている部分があって、どうしてもお話ししておきたいのです。
自治大でも、学生による講師の評価があります。消防大学校では5段階評価でしたが(2009年12月11日)、自治大は3段階評価です。といっても、学生の満足度や理解度を測ることに、違いはありません。また、ほかの講師と比較されることも、同じです。東大を始めとする一流の教授や研究者と、比べられるのです。
先月行った校長講話の、学生による評価が、報告されました。それを見ると、ほとんどの学生には、私の言いたいことが伝わっていて、ほっとしました(全員ではないことに、反省)。教育内容の水準を保つためには必要な評価ですが、しゃべる者にとっては、心臓に悪いですね(笑い)。
このほか、モニターテレビで、私の授業を見ていた教授たちから、「校長、今日の講話は、脱線が多かったですね」と批判されたり。「講話は、入校したばかりの学生に心構えを説くとともに、緊張を解いてもらうためだよ」と反論しました。講義は、そうはいきません。