先日の日経新聞日曜版に、東京の帝国ホテルが日本料理の直営店を開いたことが載っていました。2021年に開店したそうですが、帝国ホテル130年の歴史で初めてのことです。既にほかの日本料理店が経営する店はあったのですが。
帝国ホテルのホームページにも、次のように書かれています。
「「帝国ホテル 寅黒」は、世界のVIPを日本の心でおもてなしする“和のダイニング”として、2021年11月に開店しました。帝国ホテルが直営する日本料理は、130年を超える歴史の中でもここが初めて。」
なぜか。それは、帝国ホテルが、日本が近代国家として認められるためにつくられたからです。そのためには、フランス料理でなければなりませんでした。東洋の遅れた小さな国が、精一杯背伸びしたのです。
しかし、外国から訪れるお客さんは、日本料理も食べたいでしょうね。かつては、西洋人からすると「変な食べ物」とも思われた和食も、寿司と天ぷらから始まり、いまや世界に通じる料理になりました。日本酒もです。
ホテルにおいても、ようやく脱亜入欧、欧米をうらやましく思う時代が終わったということでしょうか。