9月13日の読売新聞に「お客様は神様…じゃない!」が載っていました。
・・・顧客が理不尽な要求を突き付ける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が横行し、社会問題になっている。古き良き伝統であるはずの「おもてなし」の精神。そのあり方は今、曲がり角を迎えている・・・
・・・古くから受け継がれてきた「おもてなし」の精神。それが今や、深く傷つけられる時代となっている。
「接客態度が悪いと言われ、胸ぐらをつかまれて15メートル引きずられた」「2時間以上クレームを受けた」
流通業界などの労働組合が加盟する「UAゼンセン」が20年に行った調査(回答数約2万7000人)では、過酷な実態が浮かび上がった。約46%は「過去2年で迷惑行為が増えた」とし、状況の悪化をうかがわせる。
健康被害も深刻だ。厚生労働省によると、13〜22年度に認定された精神疾患による労災のうち、顧客や取引先からのクレームや無理な注文が原因になった人は計89人いて、うち29人は自ら命を絶った・・・
・・・桐生教授は「カスハラは、同じ相手に何度も嫌がらせをするという点でストーカー行為と共通する。悪質な場合は犯罪と捉えるべきだ」と断言。土下座の要求や脅迫的な言動などは刑事責任を問われる可能性がある。
国は対策に乗り出している。厚生労働省は22年2月、企業向けの対策マニュアルを作成し、複数人での対応などを促した。今月には、労災の認定基準に、カスハラを新たな類型として追加し、救済の強化を図った。
企業側にも変化がみられる。任天堂は22年10月、修理品の問い合わせでカスハラがあった場合、修理などを断り、警察などに連絡する可能性があるとした・・・