7月6日の朝日新聞オピニオン欄「自民大敗の底流」、宇野重規・東大教授の発言から。
・・・注目すべきなのは、党首が非常に強く、候補者は誰でもよいといった「1人政党」の問題です。安倍晋三首相と小池百合子知事が衆院議員に初当選した1993年の総選挙では、細川護熙さんが日本新党のブームを起こします。その後も、郵政解散の小泉純一郎首相、橋下徹さんの大阪維新の会、今回と続いてきました。これだけ次から次へと1人政党が生まれ、旋風を起こす国は日本だけでしょう。米国で、いくらトランプ大統領がかき回しても、二大政党は残っています。仏総選挙では、「共和国前進」などマクロン大統領の陣営が躍進しましたが、中道政党の結集という側面があり、1人政党とはいえません。
政党は、民意を吸い上げて政策体系、パッケージをまとめ上げる機能と、時間をかけて訓練と選別を重ね、国政を担いうる経験と人格を備えた人材を育てる機能を持っています。1人政党は、そうした機能を放棄し、瞬間風速だけを重視します。そうなると、風を受けたカリスマやスターの交代劇だけが政治になってしまいます・・・
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