日本と世界の経済の動き

滝田洋一・日経新聞編集委員が「世界経済大乱」(2016年4月、日経新聞出版社、日経プレミアシリーズ新書)を、出版されました。なかなか刺激的な表題ですが、昨今の経済状況を見ると、なるほどと思います。それは、読んでいただくとして。
2016年に入ってから、世界経済が変調を来しています。中国経済の減速、原油を初めとした資源安。それにヨーロッパの政治と社会の不安定化、中東の混乱、アメリカ大統領選挙の行方・・・。日本の政治経済も、これらの国際条件を抜きに、語ることはできません。
日本と世界の経済の直近の動きを知りたい人は、ぜひお読みください。日本と世界の、そして表と裏の情報を知り尽くした記者の新著です。
2008年秋、麻生内閣が発足したとき、リーマンショックが世界を襲いました。それに対して、1929年世界大恐慌を再来させないことを念頭に、主要国の首脳が連絡を取りつつ努力をしたことを思い出します。当時、アメリカは震源地でありながら大統領選挙中、ヨーロッパはサブプライムローンの影響が大きく身動きが取れませんでした。世界第2位(当時)の経済大国日本と、麻生総理に促されて、3位の中国が財政出動に動いたのです(本書p123。当時、総理秘書官としてこれに当たっていたのが、浅川雅嗣・現財務官です。本書にもしばしば登場します)。
ところで、一番新しい経済の動きは、毎日の新聞やニュースが伝えてくれます。しかし、私たちのように直接関わる仕事をしていないものにとっては、それらのニュースを追うことは、手間がかかります。他方で、学者や研究者が分析してくれるものは、1年以上も後になります。その間を埋めるのが、このような新書です。高度に分析してくれる月刊誌があれば、有用なのですが。

4月、新年度

4月になって、新しく職場に配属された人や異動した人も多いでしょう。今年は、4月1日が金曜日。よって先週が、初の実働5日でした。疲れましたか。この週末は、リフレッシュしたでしょうか。また、1週間が始まります。

明るい公務員講座の執筆

連載の原稿は、第2章第2節「職場の技能を磨く」の後半を書き上げました。いろいろ書きたいことがあるのですが、皆さんに知ってもらいたい要点を、バランス良く書くことに難渋していました。本屋に並んでいるビジネス書と同じことを書いても、意味がありません。公務員が実際に悩んでいること、私の経験で皆さんに役に立ちそうなことを書かなければなりません。もう一度眺めてから、右筆に手を入れてもらいます。この右筆には、本当にお世話になっています。感謝しています。
今日書き上げた原稿は、連載の回数でいうと、第21回以降になります。なんと、5月中旬掲載分を書き上げたのです。でも、書いた「貯金」は、毎週確実に減っていきます。まあ、この追いかけてくる締めきりと、編集長の優しい催促がなければ、絶対書けないでしょう。ぼやきながらも、連載は既に16回続きました。

桜を見る会

今日は総理主催の「桜を見る会」に、キョーコさんと新宿御苑へ行ってきました。今年は桜が残っていて、天気もよく、大変な人出でした。ニュースによると、1万6千人とか。その後は、東京国立近代美術館の「安田靫彦展」へ。しっかりとした構図、きれいな線、澄んだ色。よいですねえ。

インタビュー記事「毎日フォーラム」

毎日新聞の月刊誌「毎日フォーラム」4月号「霞が関トップに聞く」に、私のインタビューが載りました。
・・・東日本大震災から5年が経過し、復興事業が進み、被災地では町の形が次第に出来上がってきた。新しく完成した町にどのようにしてにぎわいを取り戻し、町づくりを進めていくのか。被災自治体の模索が続く中、震災直後から復興政策に携わり、行政と企業、NPO法人などとの連携が重要と主張する復興庁の岡本全勝事務次官に、現状と課題、今後の展望について聞いた・・・
??「東日本大震災 復興が日本を変える」という本を出されましたね。
霞が関で発災直後から関わってきたのは私だけです。5年間にどういう考え方でやってきたのか、どういうところに留意しなければならないかを後輩たちに残すのは私の責務だと思いました。1章は5年間に政府が今までと違ったことをどうやってきたか、特徴的なことを記録として書きました。政府ができる部分と企業あるいはNPO法人などに担っていただきたい部分があることが今回、認識されました。阪神大震災はボランティア元年といわれましたが、東日本大震災の復旧、復興は企業のCSR(社会的責任)の元年でもあり、NPOなどの組織ボランティアとしての元年だったと思います。これからの社会づくりは行政だけではなくて、企業とボランティアセクターの3者が力を合わせて作るべきだという、未来に向けてのメッセージも盛り込みました。
??これから一番大事なことは。
インフラの復旧に目途がつき、次は町のにぎわいを取り戻すためには、産業とコミュニティーをどうするかです。行政の力だけではできないので、企業、NPO法人をどう巻き込んでいくかだと思います・・・