今日5月24日は、地方財政学会(福島大学)で、シンポジウム「原子力災害と地方自治体」に出席しました。私は会員なので、当然の義務です。遠藤雄幸川内村長の現場からの報告とあわせ、福島の復興の現状と課題をお話ししました。
もっとも、持ち時間が20分なので、詳しくはお話しできません。しかし、短時間に何をしゃべるかを考えることは、頭を整理する良い機会です。講演会では、しばしば、しゃべりたいことが多くて、さらに時間が足らなくなることがあります。皆さんも、経験があるでしょう。
もし、「持ち時間5分」といわれたら、何をしゃべるか。最低限、何を伝えるか。それを考えることは、良い訓練になります。講演会だけでなく、大臣など上司への説明の時間が短くなった場合(これはしばしば起こります)や、お客さんに説明する場合などにも、共通します。
さらに講演会では、私が話したい内容とともに、観客が何を聞きたいかも、重要です。すると、観客の皆さんに、「今日は何を持って帰ってもらうか」を、考えなければなりません。そして多くの場合、観客は、話の内容について素人です。だからこそ、講演を求められるのです。同業者との討論と違い、知識の十分でない方への語りは、それなりに工夫が必要です。
私の場合は、必ず事前に、主催者に、観客がどのような人たちか、そして私に何を期待しているかを確認します。それから、まずレジュメを作ります。それに合わせて、資料をそろえます。その段階では、とても時間内に収まりそうもないくらいの資料になります。それからもう一度、レジュメを再考し、資料を思い切って削ります。
それでも、しゃべっているうちに、時間が足らなくなります。話の途中で、わかりやすいように、あるいは観客の注意をひくために、実例を入れたりして、脱線するからです(反省)。でも、レジュメに、今日持って帰ってもらうことは書いてあるので、大丈夫です。私は、パワーポイントは嫌いです(2011年11月6日の記事)。
会場では、旧知の学者の方々と、久しぶりに挨拶を交わすことができました。「早く、『新地方自治入門』を改訂してください。授業で使っているのです」という要望もありました。すみません、本業が忙しくて。また、近年は地方行政の現場から離れているので、難しいです。後輩たちに、期待しています。
帰りは某有名新聞記者につかまって、東京駅まで新幹線中で、地方行政、過疎地のあり方、地方振興について、議論を続けました。