多数負傷者事故、現場指揮訓練

今日は、消防大学校で、幹部科と警防科合同の、多数負傷者事故訓練を行いました。想定では、市民ホール(大学校の講堂)から火災通報があって、消防隊が出動します。実際に、消防車と救急車が、サイレンを鳴らし校庭を走って駆けつけます。
実は、観客の一人が「火事だ」とふざけて叫んで、出口に人が殺到して多数の死傷者が出ていたのです。しかし、現場は混乱して、その事態を把握することが難しいのです。関係者から事情を聞き、負傷者を運び出し、徐々に事態が把握できます。消防本部からは、登録された台帳を基に、ホールの概要などの情報も、現場指揮本部に無線で入ります。
とても手に負えないので、さらに救急車や医者の応援を求めます。次々と、車両がサイレンを鳴らして到着します。たくさんの負傷者を運び出し、負傷の程度で振り分け(トリアージ)、急ぎの人から病院に搬送します。受け入れ病院の手配も、大変です。全身を毛布で覆われた人形(死亡者)もあります。
ごった返しているところに、報道関係者が入ってきて、写真を撮ったり取材をしたりします。報道対応も、訓練の一つです。プライバシーの保護などもありますから、むやみに入られては困るのです。
今日は総勢117人の、大訓練でした。消防隊役と負傷者役に分かれて、繰り返します。部隊の指揮と運用、事態の把握、本部への報告と応援要請など、指揮者としての能力を磨くのです。1回目より2回目の方が、格段に上手になります。
夏の日差しの下での訓練で、大変です。水分補給も大切です。見ている私も、真っ赤に日焼けしました。首筋が痛いです。