梅棹忠夫先生が、お亡くなりになりました。90歳とのことです。ご冥福をお祈りします。
私は密かに、梅棹先生の弟子を目指していました。『モゴール族探検記』『文明の生態史観』『知的生産の技術』から始まって、アフリカもの、日本文化論・・・。オリジナリティのある研究、壮大な視点、それを新しい学問分野に育て上げる構築力、そして国立民族学博物館に見られるような組織力、さらには、わかりやすく庶民にPRする戦略。大したものです。
私は、大学生の時に、先生を始め京都大学人文研の業績を知り、その後かなりのめり込みました。結構、著作は読んだつもりです(2006年5月4日、私の読んだ本)。そこから、新しい発想法やわかりやすい表現など、かなり「盗ませて」もらいました。今の私がある、私の発想法があるところのかなりの部分は、梅棹先生、清水幾太郎先生、加藤秀俊先生たちにあると感謝しています。たぶん、東大法学部にないことを、求めていたのだと思います。
もし、今の職業を選んでなかったら、この文化人類学か、子どもの時にあこがれた飛鳥の考古学の世界に、進んだだろうと思っています。それら発想の自由さを求められる世界と、全く違った世界に進みました。これも、人生の妙でしょうね。