歴史を動かす要素

ウィル・デュラント、アリエル・デュラント著『歴史の大局を見渡す』 (2017年、パンローリング)を本屋で見つけて、読みました。

アメリカの歴史家による、エッセイだそうです。歴史を大局的に見渡します。
そこには、歴史が何によって形作られるかの思索が綴られています。
人の性質、モラル、宗教、経済学、社会主義、政治、戦争といった要素と、発展と衰退、進歩といった見方が述べられています。

著者は、「哲学について全体像の感知、すなわち物事を「sub specie totius」(全的相の下に)見るものと考えた」(ウィキペディア)とのことです。
なるほど。
学問の世界は、社会科学も自然科学も、細かく分けて分析する流れにあるようです。しかし、それらを全体に見る見方、あるいは横串にした見方も欲しいです。

ただし、残念ながら、エッセイに終わっているようです。私なら、どのような要素を取り上げ、どのように記述するかなどを少し考えながら、読みました。
学問的に、このような大局観で歴史を分析したものはないですかね。それとも、歴史とは、簡単なものではなく、そのような大局的分析にはなじまないのでしょうか。

ところで、翻訳には、原著の出版年や解説がついていません。この本が、どのような位置づけにあるのかわかりません。少々不親切ですね。