民間からの支援員、活躍できるように

今日26日は午後から、仙台で開かれた「ワーク・フォー・東北」の集合研修会に、参加しました。民間から被災地に支援に入ってくれている30人が、参加してくれました。彼らを被災地に送り込んだら終わりではなく、悩みを聞いたり相談に乗るなどの、お世話や「職員管理」も必要です。
民間の人たちが、長期間腰を据えて、自治体や関係団体に所属して仕事をする。これまでにない取り組みです。ボランティアの応援もありがたいのですが、発災当初のように、単純作業でたくさんの人に来てもらいたい時期は過ぎました。特定の分野でそれにあった能力を持った人に、長期間仕事をしてもらいたいのです。しかし、企業の仕事の仕方と、市町村役場の仕事の仕方(流儀、風土)は、大きく違います。また、役場は、そんな民間人を使ったことがありません。それは、中央官庁でも同じです。民間人から見たら、「役所の壁」です。
たくさんの職員を送り込んだ側としては、彼らが能力を発揮できているか、悩みはないか(もちろんあります)、それを拾い上げて仕事ができるようにする責任があります。久しぶりに会った人たちは、それぞれ元気に、しかしいろいろと悩んでいました。志の高い彼らを活用しないのは、もったいないです。
対策の一つは、受け入れ側の役場の意識改革、そのための助言でしょう。どのような課題を、彼らに担当してもらうか。目標と任務と進め方を明示しなければなりません。しかし、通常の役場仕事は、それを明示することなく、暗黙知の世界で進めます。特に小規模の役場では、これまで法律に決められたことをすればすみました。また、顔見知りの職員ばかりで、声に出さなくても仕事は進みました。
しかし、千年に一度の災害をうけ、それを復興するには、これまでにない仕事をする必要があります。前例通り、言わなくても分かる、というわけにはいきません。民間人が役所に入って、民間流の仕事の進め方を持ち込む。「役所の壁」を壊す、壮大な挑戦でもあります。うまくいっている成功例を示すことで、世間に認知してもらえる、また他の市町村も活用できると思います。