カテゴリー別アーカイブ: 歴史遺産

永田町霞ヶ関ツアー2003

6月5日に、永田町霞ヶ関ツアーを行いました。その記録です。
東大の授業の一環として、永田町霞ヶ関ツアーをしました。全国知事会鹿児島県東京事務所・国会・議員会館・民主党政務調査会・総務省(大臣室、交付税課)です。普段見ることのない所で、参加者には喜んでもらえました。協力いただいた皆様に感謝します。
まず、全国知事会で、石上調査第一部長から説明を聞きました。各県知事が座るところに、座らせてもらいました。
img051

鹿児島県東京事務所で説明を受ける。生産量日本で2位のお茶も頂く。
img052

次は定番の国会議事堂で、記念撮影。
img053

総務大臣室で。後列右は、山崎大臣秘書官。
後の額は大久保利通内務卿の「為政清明」
img054

 

米国まめ日記6

ゴルフ
 米国に来て約1年が経ちましたが、車社会の米国に来て以来、歩くことがめっきり少なくなるなど、慢性的な運動不足に悩まされております。体力の低下は否めず、最近では腰痛もちの仲間入りも果たすことができました。東京にいたころは、毎日の満員電車での通勤や帰り道のコンビニでの立ち読みなどで足腰が鍛えられていたんだなあと感慨深い今日この頃です。
 運動不足を自認している米国人たちは、よくジョギングしたりジムに通ったりしているようなのですが、私は、少しでも体力の低下を食い止めるべく、ゴルフをすることにしました(といっても元々していたのですが)。
 日本ですと「高い」とか「遠い」とか「ジジくさい」とか何かとネガティブなイメージのゴルフですが、こちらでは、そのようなイメージは薄いように感じます。まず、値段ですが、私が好んで使用するパブリックコースでは、休日でも30ドル~40ドルでプレー可能です。高級といわれているようなところでも100ドルはしないという印象です。安い!(※)
 また、自宅から車で10分くらいのところもゴルフコースがありますし、仮にゴルフコースが20マイル(1マイル=約1.6キロ)くらい離れていたとしても、車で30分くらいで到着します(自宅から20マイル圏内には多くのゴルフ場があります)。もちろん高速道路を使ってもお金はかかりません。近い&安い!
img113
 さらに、日本でゴルフをするとなると、相当前から予約が必要であったり、キャディさんがついたりと何かとめんどくさいことが多いのですが、こちらでは、3,4日前に予約を取れば十分ですし(場所によっては、休日でもその日に行ってプレーできます)、キャディなしプレーが基本です。お気楽!
 もちろん、私は、運動不足解消のためにゴルフをしているので、18H歩いてプレーすることを基本にしています。トータルで10キロくらい歩くことになるため、かなりいい運動になり、これ以上の体力低下はなんとか食い止められそうです。
 ゴルフは4人1組が基本であるため、2人や3人で予約すると、米国人といっしょにプレーすることになります。ジョインするのは学生のこともあれば、すでにリタイアした老人も場合もあり、ゴルフは生涯スポーツなんだなあという思いを強くします(女性が多いのも米国の特徴でしょうか)。一緒になった人達と話をしたりするのも楽しいものです。私の日ごろの仕事相手の官庁のOBの方とたまたま一緒の組になり、昔話を色々と聞かせてもらったこともありました。
img114
 ハーフでのビールやお風呂といった楽しみはないものの、米国でのゴルフは、体力の低下を食い止めるだけでなく「英語力の向上」をも果たすことができる、それはそれはすばらしいスポーツなのです。決して遊んでいるわけではありません。
 料金体系の多様さも米国の特徴です。これはゴルフに限りませんが。例えば、http://www.bullruncc.com/page/90-2364.htm参照。

米国まめ日記5

サクラ
 3月19日に始まった米英軍によるイラク攻撃(その作戦名「イラクの自由作戦」(Operation Iraqi Freedom))も、4月9日時点ではイラクの首都バグダッドが米英軍に制圧され、フセイン体制も事実上崩壊したとのことであり、終結に近づいているようです。
 この「戦争」の一当事者の首都ワシントンに暮らしていても、戦争を感じさせるものは、反戦デモ、戦争関連ニュースがほとんどを占めるニュース報道(ちなみにこちらのニュースでは天気予報の際、イラクの天気予報も流しております。)、タクシーの運ちゃんの世間話といったものであり、それらはきっと日本にいたとしても感じられるようなものではないかと思います。緊張感が非常に高まっているというような状況ではありませんが、そいうはいっても今は戦時下。そのような中、ワシントンでは、今年も「桜祭り」(National Cherry Blossom Festival)が予定通り開催され、多くの観光客等で賑わいました。
img115
 DCの中心にあるモールと呼ばれる公園地帯(モールの東端にある国会議事堂から西の端にあるリンカーン記念館までの距離は3.5Kmほど)にあるタイダル・ベイスンと呼ばれる池(ホワイトハウスの南側に位置する)の周りには、日米友好の証として1912年、当時の東京市長尾崎行雄から送られた桜の一部が植樹され、毎年春になると見事な花を咲かせています。
 そして、毎年その桜の開花時期にあわせ桜祭りが開催されています。桜は、タイダル・ベイスンの周りだけでなく、メリーランド州の高級住宅街(Kenwood地区)などでも楽しむことができます。外国、それも米国で日本と比べても遜色のない桜を楽しめるとは思っていませんでした。
img116
 日本と同じくワシントンでも桜は人気者で、米国では公共の場での飲酒が原則として禁止されているため日本の花見とは趣を異にするものの、米国人も桜の下を散歩したり、桜の木の近くでピクニックをしたりして桜を楽しんでいるようです。また、3月に入ったころから、米国政府の役人との会話の中にも桜がたびたび登場するようになります。「今年の桜はいつごろ咲くのだろうか」「タイダル・ベイスンの桜は元々日本が贈ってくれたものらしいんだけど、本当にいいものを贈ってもらったよ」などといったものなのですが、いつも仕事以外の会話のネタ探しに苦労している私にとって桜は正に救世主です。
img117
最近異動された方の挨拶の中に、「戦争、身内の不幸などなど、人の世の営みとは関わりなく、春は巡り、春が来れば桜は咲くのだ、と改めて自然の力に感服しております」という一文がありましたが、本当に自然の力は偉大であり、特に桜の花は、人々を引き付ける大きな魅力を持っているなあと強く感じました。
 しかし、桜の花の命は短く、タイダル・ベイスンの桜も、昨日降った雨のためだいぶ散ってしまったようです。私の米国役人との会話のネタ探しの旅はこれからも続くのでした・・・。
P.S.地球の歩き方の一コラムによれば、1943年の太平洋戦争の真っ只中、ジェファーソン記念館を作るためにタイダル・ベイスンの桜を何本か移動させた際には、桜愛好家が自分の体を桜の幹に縛り付けて抵抗したとのことです。米国での「戦時下」というのは、いつの時代も変わらないのでしょうか。

2003年夏学期

2003年度は、公共政策論を担当します。木曜日第5時限
聴講者へのお知らせ
「成績評価(リポート)の課題」について、グループメールに掲示してあります。聴講者は、メールを見ておいてください。

テーマ
今年度のテーマは、「現在日本の政治と行政」です。現在の政治と行政について、その役割・成果・問題点という観点から、日本社会を分析したいと考えています。
副題は「政治と行政の機能不全」です。永田町と霞ヶ関を中心に、官僚が見た「今の日本の政治」です。

授業の進め方
夏学期は、教官による講義とします。当然、総務省課長職及びこれまでの内閣審議官、大臣秘書官、県庁総務部長の経験を踏まえたものとなります。資料は随時配布、参考文献も適宜指示します。
夏学期の成績評価は、レポート及び出席によります。
授業計画
4月10日 開講の辞(授業計画の説明、参加者へのアンケート)
4月17日 Ⅰ政治のイメージ、機能不全・問題の所在地図
4月24日 Ⅱ省庁改革の目指したもの(問題の構図)
5月 1日 Ⅲ具体の問題(新聞を読む、小泉政権、日々の問題)
5月 8日 休講
5月15日 Ⅳ憲法と政治(政治・統治と三権分立)
5月22日 Ⅴ内閣の機能(官僚制の限界)
5月29日 続き(見えてきた政治の役割)
6月 5日 永田町ツアー、続き(政治の役割と評価)
6月12日 続き
6月19日 財政の問題その1(赤字と民主主義)
6月26日 財政の問題その2(三位一体改革と審議会政治)
7月 3日 Ⅵ官僚制(官僚の生態学、官僚の仕事)
7月10日 続き、質疑応答
以下は冬学期に
Ⅶ国会(政党、政治改革の効果、国会議員の生態学)
授業概要
Ⅰ 問題の視角
1 日本政治の問題
 仕組みと実際と期待と、日本政治の抱える課題
2 政治の見方
 学問の世界と現実の政治、憲法学・行政法学 vs 政治学・行政学
Ⅱ 仕組みと実際-アクターとフィールド-
 省庁改革が目指したもの、国会と内閣、首相と与党、野党、国会議員、内閣と省庁、官僚、マスコミ
Ⅲ 入力と出力
1 入力:問題と環境、金と人材、情報、投票と支持
2 出力: 政策とサービス、成果と評価
3 政治に期待されること
Ⅳ 課題
1 仕組みの課題
2 政策の課題
3 民主政治の限界
もっとも、これだけの内容を、夏学期13回では、こなし切れそうにありませんねえ。そこで、このような全体像を前提として、授業では、それぞれのテーマごとに、事例を挙げて「問題点」を解説することにします。