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行政-国会

法律ができるまで5

付録:その後(2004年)
といっても、本業(の延長)ですが。16日の夕方、各省の国会担当者が集まって、慰労会が開かれました。冒頭、総理が出席され、出席者に対する国会対応業務や答弁資料作成について、お礼のご挨拶がありました(17日付け朝日新聞など)。その中で、「質問いろいろ、答弁もいろいろ」「私は比較的失言が少ない・・」といった発言がありました(太字の部分は一語一語、極めてゆっくりと)。場内は、大爆笑でした。出席者の次の関心は、「臨時国会の会期はどの程度だろう」「夏休みは取れるのだろうか」「家族が・・・」でした。(7月17日)
【160回臨時国会】
7月30日から、臨時国会が始まりました。参議院議員選挙を受けてのものです。過去の例だと、議席の指定などをするだけで短期間だったそうです(総務課長の出番はないということ)。今回は、本会議や委員会で審議もなされるとのことで、仕事をさせていただいてます(休日出勤している職員もいます。ありがとう)。
【閉会中審査】
今日は、衆議院総務委員会が開かれました。国会自体は閉会中なので、これを「閉会中審査」と呼びます。議題は、人事院勧告とNHK問題です。また政府と与党では、郵政民営化問題が佳境を迎えています。
9月下旬には内閣改造が予想され、10月には臨時国会が予想されています。その法案の準備も進んでいます。忙しいのは、ありがたいことですが。ふーふー。(9月9日)
【内閣改造・与党役員異動】
内閣改造に伴う、副大臣・政務官の交代がありました。引き続き、与党の役員や国会での役職任命が行われます。与党にあっては国対のメンバーや総務部会の役員、国会にあっては総務委員会の委員長や理事など。私たちが仕事でお世話になる方々です(「法律ができるまで」を参照してください)。
今回だと、今井宏自民党総務部会長は、総務副大臣になられました。党側から政府側に移られたわけです。部会長の後任を決める必要があります。滝実衆議院総務委員会理事は、法務副大臣になられました。理事の後任を選ぶ必要があるのです。10月中旬には、臨時国会が召集される予定です。それで、総務省が提出する法案の説明を始めています。(10月2日)
【161回臨時国会】
今国会に、総務省は3法案(一般職給与法、特別職給与法、公務災害法)を提出し、もう1本を準備中です。与党への説明と野党への説明を、ほぼ終えました。与野党の役職員が交代になったので、その方々へ事務や法案の説明も続けています。(10月12日)
22日に、「一般職給与法改正」が衆議院で可決されました。今年の人事院勧告は、本俸は据え置きでしたが、寒冷地手当が引き下げられました。その支給日が10月末なので、それまでに改正法を成立させる必要があります。通例では、会期の最初は、大臣の所信を読み、それに対する質問を行います。法案の審議はその後です。今回は、このような事情により、異例の日程を組んでいただきました。そのために、総務課長は、「よく仕事を」させてもらいました。へとへと・・。来週には、参議院でも審議採決してもらえる予定です。(10月23日)
27日に、「一般職給与法改正」が参議院で可決、成立しました。28日は、衆議院総務委員会で、大臣発言に対する一般質疑が行われます。(10月27日)
【所信的発言】
大臣の委員会冒頭発言を、総務省のHPに載せました。総務省がどんな仕事をしているか、何に力を入れているか、がわかると思います。これまで、配布公表していなかったのが、不思議です。ありがとう大堀君。でも、見出しを入れないと読みにくいですね。次回は検討しましょう。
今日は衆議院総務委員会で、一般質疑がありました。2日は参議院で、4日は衆議院での2回目の質疑が予定されています。(10月28日)
今日は衆議院総務委員会で、一般質疑(2回目)がありました。合計7時間、途中に本会議を挟みましたので、朝の9時から18時20分まででした。2日は参議院で、4時間でした。質問する側は次々と入れ替わりますが、ほぼお一人で答弁されるので、大臣は大変です。テーマは、圧倒的に三位一体改革と災害です。(11月4日)
今日、第161回国会が閉会しました。53日間でした。総務省は4本の法律を提出し、全て可決していただきました。いろいろと難しい場面もあったのですが。ありがとうございました。開会中は、いろいろ仕事が忙しいことは当たり前ですが、私にとっては自由行動ができないこと、緊張感を解けないことの方が大変です。自分から何かをするという仕事ではなく、突然飛び込んでくる受身の仕事がほとんどです。1月下旬には、通常国会が開かれる予定です。(12月3日)

法律ができるまで4

4月以降
4月に入って衆議院では、年金法を巡る問題で民主党が審議を拒否しました。その結果、今週の6日の衆議院総務委員会は、与党と共産党のみで電波法の改正を審議しました。与党の質問だけ行いました。7日夕方に正常化したので、13日に残りの審議をすることになりました。一方、参議院は、通常の審議でした。8日に消防法改正案が総務委員会を通過し、9日に本会議で可決されました。来週は、地方公務員の任期付き任用法改正案を審議する予定です。
地方税財政関係法が成立しても、国会・総務省はその他の法案成立に汗をかいています。3月中は、予算と予算関連法案の審議ですから、まず衆議院そして参議院の順に審議が進みます。しかし4月になると、衆議院と参議院それぞれで、別の法案を審議するので、時間(と大臣)の取り合いになります。それぞれの本会議とそれぞれの総務委員会の、時間の調整が大変なのです。それに、火曜日と金曜日は閣議があり、その時間の調整も必要になります。(4月9日)
13日は、午前中は衆議院総務委員会で電波法改正の質疑採決、その後、参議院総務委員会で任期付き任用法改正の提案理由説明、引き続き衆議院本会議で国民保護法案の趣旨説明と質疑がありました。国民保護法制は、消防や地方団体が主役なので、総務大臣の出番も多いです。それで、大臣はずっと出ずっぱり=休憩・昼ご飯抜きでした。私は、大臣が本会議に出ておられるのをTVで見ながら、弁当を食べました。申し訳ないと思いつつ、朝7時半から大臣にレクチャーをしたら、お腹が空いて・・。(4月13日)
16日には、参議院本会議で「地方公務員の任期付き任用法改正」が、衆議院本会議で「電波法改正」が可決されました。来週は、それぞれの委員会で、次の法案の審議に入ります。また、衆議院事態特別委員会では、国民保護法案が審議されています。14日には、久しぶりに「党首討論」も行われました。もっとも、年金法改正をめぐって16日夕刻、与野党が「激突」したので、来週の審議がどのようになるのか心配です。(4月17日)
【市町村合併特例法】
国会の方は、火曜日に正常化し、衆議院総務委員会では「市町村合併関係3法」の審議が続いています。合併推進関係者の方には、近く掲載される委員会議事録をご覧いただきたいと思います。参議院総務委員会では「国家公務員総定員法改正」が可決されました。国家公務員総数は、独立法人化等で、大幅に減っています。(4月22日)
今日の衆議院総務委員会と本会議で、合併3法が可決されました。議論のポイントは、地方行政2へ。(4月27日)
今日は、衆議院総務委員会で「地方公務員共済法改正」が審議可決されました。内容は、①厚生年金等と同様の給付と負担の見直しのほか、②国家公務員共済との財政の一元化、③市町村共済の事務の一元化です。案外知られていませんが、重要な改正です。(5月20日)
18日、参議院総務委員会で合併3法案が審議、可決されました。今日の本会議で、成立しました。市町村合併関係が主な内容ですが、地域自治組織など新しい仕組みも導入されています。(5月19日)
今日は、衆議院総務委員会で「消防法等改正」が可決されました。昨年相次いだ、石油タンク・タイヤ工場・ごみ発電所の火災対策や住宅への火災報知器設置を内容としています。明日からは、参議院で国民保護法制の審議が始まります。(5月25日)
今日は、衆議院総務委員会で、「国家公務員総定員法改正」と「地方公務員任期付き任用法」が可決されました。3日の本会議で成立する予定です。総務省提出法案としては、残っているのは、参議院での「地方公務員共済法改正」だけになりました。この他、わが省関係では、国民保護法制もあります。(6月1日)
今日、参議院総務委員会での質疑採決の後、本会議で「地方公務員共済法改正」が成立しました。これで、総務省提出法案はすべて成立しました。わが省関係では、国民保護法も成立しました。(6月14日)
【国会閉幕】
今日、159回国会が閉会しました。総務省提出案件(法律13本、承認案件1件)は、すべて成立しました。関係者のみなさん、ありがとうございました。(6月16日)

法律ができるまで3

参議院
予算と交付税法等は参議院に送られました。8日は決算委員会が開かれ、9日から予算委員会が始まりました。11日は、予算委員会の合間を縫って、昼休みに参議院総務委員会では「大臣所信」を読みました。12日には、参議院本会議で交付税法等趣旨説明と質疑が行われました。
国会での麻生総務大臣
参議院予算委員会で、パネルを使って三位一体改革の影響を説明する大臣。閣僚達も身を乗り出して・・。産経新聞3月10日より。写真提供は産経新聞(3月10日)
16日は、参議院総務委員会で「大臣所信」に対する質疑が行われました。同時に開かれた参議院予算委員会での質問には、副大臣が出席して答弁しました。日程が詰まってきて、大変です。
18日は、参議院総務委員会で地方交付税法等の質疑が行われました。7時間で、質疑終局まで行きました。採決は後日行われます。19日には、参議院本会議で「義務教育費国庫負担法」の質疑が行われ、総務大臣もその在り方について答弁しました。
法律の成立(3月26日)
26日に、参議院予算委員会で予算が採決された後、総務委員会で地方交付税法など地方税財政関連法案が採決されました。併せて、「地方税財政基盤強化に関する決議」もされました。その後、それぞれ本会議で採決されました。麻生総務大臣は、小泉総理と一緒に、参議院内の各会派に、お礼の挨拶回りをされました。これで、地方団体は安心して、新年度の予算を執行できることになります。関係者のみなさん、ありがとうございました。
総務省としては、この他に、合併3法案・消防法改正・電波法改正などが残っています。また、今国会の重要法案である国民保護法案も、当省の役割が大きく、与野党の対決法案である年金改革についても、地方公務員共済法改正が当省の所管です。6月の会期末までに、これらを成立させるべく、引き続き汗をかきます。
その他の法案
2004年3月中:予算関連・日切れ法案
3月11日は、昼休みに、衆議院総務委員会でも、「成田空港周辺整備財政特例法」の提案理由を読みました。16日に、「成田空港周辺整備財政特例法」の質疑・採決が行われました。
18日に、衆議院本会議で成田財特法が可決され、参議院に送られました。衆議院総務委員会では、NHK予算が審議されました。この日は午後に、衆参の総務委員会が同時に開かれ、参議院には大臣が、衆議院では副大臣(とNHK会長)が出席し答弁しました。同時に両委員会が開かれるのは異例だそうです。
23日は、午前中衆議院総務委員会で、NHK予算の質疑と採決が行われました。引き続き昼には、参議院総務委員会で成田財特法の趣旨説明を読みました。午後には衆議院本会議でNHK予算の採決、市町村合併3法の趣旨説明と質疑があり、それから参議院予算委員会で集中質疑がありました。なんと盛りだくさんな。総務課長は、昼は審議日程のお願いに回り、夜は大臣答弁資料のチェック、朝は大臣へのご進講でと・・・。
25日は、参議院総務委員会で成田財特法の質疑がされました。そして26日に、交付税法と一緒に、委員会と本会議で採決されました。

法律ができるまで2

審議の順番
この後、法案の審議を待ちます。また、法案が国会に提出されたことを受けて、野党議員にも法案の説明に回ります。民主党では、ネクストキャビネットの部門別会議(自民党での部会に当たるもの)に呼ばれ説明します。
国会は、2月9日に、まず15年度国の補正予算とイラク派遣承認が、参議院を通過しました。10日から衆議院予算委員会で、16年度予算案の審議が始まりました。最初(今年は3日間)は全大臣出席です。すなわち、この期間は本会議や他の委員会が開けないのです。16日から予算委員会は、一般質疑(要求された大臣のみ出席)となりました。
総務課長は、今、本会議や委員会が早く開けるよう、そして法案を早く審議していただくよう、与野党の関係の議員(国対・総務委員会)に、お願いして回っています。
本会議日程が決まる(2月17日)
2月17日の衆議院議院運営委員会で、地方交付税法改正案・地方税法改正案・所得譲与税法案が、19日の衆議院本会議にかかることが決まりました。17日には、国税関係の法案が衆議院本会議にかかりました。例年、その次に地方財政関係法案が、本会議にかかります。優先順位が高いのです。総務大臣が、3本一括で趣旨説明をし、質疑が行われます。地方財政計画とこの3本は、密接な関連があるので、一括して議論されることになりました。どの法案を一括して審議するかも、日程上は重要です。質疑者は野党(民主党)2人(各々15分)・与党(公明党)1人(5分)、ということも決まりました。
一方、衆議院総務委員会の理事会・委員会が開かれ、19日に委員会で総務大臣の所信表明が行われることも決まりました。
本会議での趣旨説明と質疑(2月19日)
2月19日の衆議院本会議で、総務大臣が地方財政計画・地方交付税法改正案・地方税法改正案・所得譲与税法案の趣旨説明をし、質疑が行われました。質問の中心は、三位一体改革の評価とこれからの進め方についてでした。新聞にも取り上げられていましたが、追って議事録も作成されます。議事録は、衆議院会議録「本会議2月19日」へ。本会議を開く間、衆議院予算委員会は休憩です。その後、これら4本は、総務委員会に付託されました。20日には、成田財特法も(これは本会議での質疑が無く)、衆議院総務委員会に付託されました。
また、本会議後、衆議院総務委員会(この日は木曜日で定例日)が開かれ、総務大臣の所信表明が行われました。この時間帯に、予算委員会で総務大臣への出席要求がなく、同時に委員会を開くことができたのです。国会での「日程」の重要さがわかると思います(国会というところその3国会というところ4参照)。
委員会質疑(2月24日・26日・3月2日)
まず24日、衆議院総務委員会で、大臣所信に対する質疑が行われました。朝9時から休憩を挟んで、5時間20分間。8人の委員の質問を、麻生大臣がほぼ一人で答弁されました。所信質疑終了後に、交付税法等の提案理由説明を大臣が読みました。議事録は、衆議院会議録「総務委員会2月24日」へ。
今日は、同時に予算委員会も開かれていて、総務大臣は、昼の休憩時間と夕方二度、予算委員会にも出席し答弁しました。委員会室を移動するため、国会の中を走るのです。昼には、アナン国連事務総長の国会演説に出席されたので、満足に昼ご飯を食べる時間もありません。朝は8時から国民保護法制本部、8時30分から閣議が開かれました。そこで、大臣の国会質問勉強会は、7時からでした。
このようなきつい審議状況を、地方団体の方も、案外ご存じありません。国の役人でも、関係者以外は知りません。大臣は大変です。5時間をずっと座り続け、交付税から郵政民営化まで、あらゆる質問に答えるのです。もちろんそれを支える総務課(特に国会担当者)も、法案提出課職員も大変です。各議員からの質問通告聴取、答弁資料作成担当課の振り分け、答弁資料の作成。夜に質問が判明し、それも100問にもなると・・。
これを受けて、26日は、衆議院総務委員会で、交付税法等の審議(その1)が行われました。朝9時から6時間です。
3月1日と2日午前は、衆議院予算委員会の分科会(各省ごとの審査)が行われました。そして午後は、衆議院総務委員会で、交付税法等の審議(その2)が4時間行われました。これで、委員会での審議は終わり、予算が予算委員会で採決されるのを待ちます。
27日、義務教育費国庫負担法改正が、衆議院本会議にかかりました。三位一体改革関連ですから、文部科学大臣だけでなく、総務大臣の答弁もありました。
採決(2004年3月5日)
今日は、予算が予算委員会で採決され、交付税法等も総務委員会で採決されました。
委員会では、各会派が法案に対する討論(賛成か反対か)を行い、各法案ごとに採決(起立採決)が行われました。交付税法等は「国の予算案と一体」という理由で野党は反対でした。与党の賛成多数で可決されました。
地方税法には「付帯決議」が、地方税財政に関しては「決議」がつきました。これは、委員会(立法府)から政府への「注文」の意味を持ってます。例えば、「税源移譲をさらに進めよ」とかです。両決議は委員3人から提案され、共産党を除く会派が賛成でした。委員会議事録は、衆議院会議録「総務委員会3月5日」へ。決議も載っています。
その後、衆議院本会議で、予算案・交付税法等は可決されました。本会議では、委員長の報告があり、討論、採決がされました。予算案は、記名投票でした。本会議の議事録は、衆議院会議録「本会議3月5日」へ。
予算可決後、総理は院内の各会派の部屋に、「お礼の挨拶回り」をされます。総務大臣も同様に、法案可決の「お礼の挨拶回り」をします。

法律ができるまで

各省が法律案を作成して、国会に提出し、審議されて成立する過程の解説です。その例として、2004年度地方交付税法改正法案を、このページで解説します。内閣法制局のページに「法律ができるまで」が解説されています。また、国会というところ」をあわせて見てください。
地財対策決定(2003年12月18日)
2004年度地方財政対策決定。総務大臣と財務大臣の折衝で、地方交付税の総額の特例などが決まりました。交付税課で、地方交付税法の改正法案(原案)の作成を開始。内容は、総額の特例、算定方法の改正のほか、今年にあっては、特例交付金の改正(税源移譲予定交付金の創設)などがあります。改正の概要を検討するのと並行して、内閣法制局への説明を始めます。
年末
省内では、総務省から提出する法案の本数を整理。各局の案を、官房総務課が取りまとめ。例えば、「地方税法改正法案」が提出予定、合併特例法の改正などが検討されています。
国会開会(2004年1月19日)
第159回通常国会が始まりました。会期は、150日間です。官房長官が、「政府から提出予定の法律案は125件、提出予定条約は19件。このほか、提出につき検討中の法律案17件、条約10件」と発表されました。このうち、総務省は、提出予定法律案が14件、検討中が3件です。
(本数の確定)
ここに至るまで、今月の始めに、省としての提出案件をまとめ、内閣法制局や内閣官房(総務官室)と調整して、この本数を固めました。
その後、与党の議院運営委員会・国会対策委員会のメンバーに、提出全法案の本数とその概要を説明しました。これは、「総務省からこのような法案を考えています」という、全体像の説明です。これが、総務課長の仕事始めです。内閣(各省)は法案を提出することはできますが、審議をするのは国会です。野党の理解を得て政府案を「通す」のは、与党です。
法案を固める
(内容確定・法制局審査・各省協議)
法案は、省内での原案確定・内閣法制局の審査を経て、案が固まります。地方財政関係は、地方税法等の改正・所得譲与税法の新設・交付税法等の改正(地方特例交付金法の改正を含む)・新東京国際空港周辺整備財政特例法の延長の4件です。法制局の審査の過程で、「税源移譲予定交付金」は名称が「税源移譲予定特例交付金」となりました。省としての案が固まると、各省協議をします。各省協議とは、法案に関係ある他の省に異議がないか確認するためのものです。
(決裁)
できあがった法案は、省内では大臣まで決裁を得ます。交付税法の場合は、地方財政審議会の同意も必要です。他省と「共管」の法律は、その省での決裁ももらいます。交付税特別会計法は、財務省と共管です。内閣法制局の正式な決裁も、もらいます。こうして、政府原案が固まります。
法案は、「改正文」本体(「××」を「△△」に改め・・という文章です)ですが、説明先によっては、あわせて「要綱」「新旧対照表」、さらに「提案理由」「参照条文」をつけます。これを「3点セット」とか「4点セット」と俗称します。閣議に提出する「正本」は、和紙にタイプで打ち、こよりで綴じます。
これらの作業は、交付税課では、課長補佐が責任者になり、「見習いさん」と呼ばれる入省3~5年目の職員が担当します。期間が短く・量が膨大で・一言一句の間違いも許されない(法制局審査は厳しいことで有名です)・大変な作業です。何回かの徹夜を伴います。
与党法案等審査手続(2月3日)
次に、与党の了解を得る手続があります。法案4本と地方財政計画の合計5つについて、2月3日に、自民党にあっては、政務調査会の総務部会・政調審議会(政審)・総務会の了承を得ました。また同日、公明党にあっては、政務調査会の総務部会・政調全体会議の了承も得ました。
部会には、副大臣・政務官らが出席し、担当局長が説明します。関係課長も出席します。(自)政審・総務会、(公)政調全体会議では、各々部会長・専任部会長が説明します。もっとも、これらの関係者には、関係局が事前に概要を説明しておくことが多いようです。
与党の了承を得たものが、閣議に提出されることになっている、とのことです。
閣議決定・国会提出(2004年2月6日)
地方交付税法案など4本と地方財政計画が閣議決定され、国会に提出されました。国会に提出といっても、国会が一つではないので、内閣から衆議院と参議院にそれぞれ提出されます。
閣議案件は、通常前日に事務次官等会議にかけられます。これは、各省が異論ないことの確認行為の意味を持っています。逆に言うと、異論のある省はこの場で発言するのです。もっとも、「次官会議で反対するぞ」ということが「抑止力」になっているので、そうならないように事前に調整されているようです。急を要する案件などは、閣議の後にかけられるようです。
閣議は、通常、毎週火曜と金曜日です。急を要する場合は、この日以外にも開かれますし、「持ち回り閣議」といって、各大臣の署名(花押)をもらいに回る場合もあります。次官会議は、月曜と木曜日です。