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慶応大

レポート採点講評

95人の力作を、読ませてもらいました。
評価基準は、課題を示した際にあわせて書いておきましたが、採点の際に気づいたことを、書いておきます。
1 具体事例を扱うこと
これについては、ほとんどの人が守っていました。アスベスト規制問題、BSE牛問題、薬害エイズ、教育改革、米政策、幼保一元化、通信政策、防衛省改革、タクシー参入規制など、様々な問題を取り上げていました。
なお、公務員批判、官僚主導、公務員改革論を取り上げているのがたくさんありましたが、授業の内容を越えないレポートは、具体性に欠けるので評価は低くなります。
2 単なる批判や感想ではなく、問題が生じる構造を論じること
これも、大半の人が守っていました。もっとも、居酒屋タクシーや年金記録問題を取り上げた中に、問題の指摘に終わり、行政構造からの分析がないものが、いくつかありました。また、政治家と公務員との区別をせずに議論しているものも、私の授業の理解が不十分なので、点数は低くなります。
3 あなたの考えを書くこと
これも数人の人を除き、守っていました。授業の内容を要約しただけのレポートがいくつかありましたが、これは評価が低くなります。自分の考えが書いてあれば、それが少々変でも、Bにしました。
具体事例を調べていた場合は、努力点としてBにしました。中には、事実を間違っているものもありましたが、よく調べてあれば評価しました。
もっとも、分量が多くても、引用ばかりのものはCです。具体事例を取り上げつつも、授業の内容を当てはめただけのものもありました。これも点数は低いです。
4 冒頭に、結論(ポイント)と目次を書き、文中に見出しを立てること
これも、数人の人を除き、守っていました。もっとも、目次と見出しがあっていないものもありました。
誤字は、数人の人だけ、「とんでもない」ものがありました。
5 全体について
今回は、文句なくAの人が多かったです。読んでいて、感心しました。
「最初に結論を書き、文中では見出しを立てること」を指示したのは、正解でした。読んでいて、わかりやすかったです。たぶん、作成者(学生)も、自分の考えが整理できたのだと思います。
他の授業やゼミの内容を「活用」または「流用」している、と思われるものがありました。複数の人のレポートの内容が、よく似ているのです。その場合も、意見を書いてあるかなど、通常の物差しで評価しました。

採点

家にこもって、レポートを読んでいます。これって、結構な重労働なのです。
ようやく、採点を終わりました。講評を書いておいたので、学生諸君は読んでおいてください。

2008.07.12

今日で、春学期の授業を終えました。予定していた内容を、すべてお話しできました。90分を12回は、多いようで、少ないです。もちろん、抽象的な行政論なら、そんなに時間は、かからないのでしょうが。具体事例を話さないと、学生さんにはわからないでしょう。また、その背景を話すとなると、結構、時間がかかるのです。私の授業は、実務家教員による実例・現在の行政を取り上げることに、意味があるのですから。
今回の学生さんは、反応が良くて(数人を除く)、調子が良かったです。学生の目と表情を見ていると、「おっ、理解しているな」というのがわかります。笑って欲しい時に笑ってもらえると、元気が出ます。私も、コツをつかんだということかもしれません。院生と学部生では、教え方を変える必要があります。
私が学生の時、ある著名な教授が、第1回目の授業で、本論を離れた開講の辞をされました。私は、「なんでこんなことをしゃべられるのだろう」と、疑問に思いましたが、授業の最後に先生は、次のようにおっしゃいました。「う~ん、今年の学生のできは、いまいちだな」「笑うべきところで笑わない」「ワインも、同じ畑でも年によって、出来不出来がある・・」と。先生は、生徒のできを調査しておられたのですね。それ以来、笑うべきところでは笑うことを、実践しています。
今日は、最後に一人ずつ名前と顔を確認して、お開きにしました。もっとも、レポートとその採点が残っています。

2008.07.05

今日は11回目の授業。順調に、第4章に入りました。これまでの授業で、官僚制の成果と問題点を指摘しました。第4章は、問題への対応としての行政改革の歴史と位置づけです。かなり広い視野での分析だと、自分では自信を持っています。早いもので、来週で、春学期の講義は終わりです。