カテゴリー別アーカイブ: 図書紹介

地方行財政-図書紹介

2005.02.17

伊東弘文地方財政審議会会長の編著による「現代財政の変革」(ミネルヴァ書房)が、出版されました。この本は、先生の還暦記念として出版されました。詳しい目次は、HPをご覧ください。執筆者は豪華メンバーで、内容も近年の地方財政の変容を反映したもの、かつ多岐にわたるものとなっています。

2005.01.16

自治研究」平成16年12月号、17年1月号(第一法規)に、山崎重孝総務省行政体制整備室長の「新しい基礎自治体像について」が連載されています。十分に検討されることなく使われている「基礎自治体」という概念について、これまでの位置づけの変化・社会経済条件の変化・将来予測などを論じています。
制度の解説でなく、これまでの評価やこれからのあり方など、長期的かつ広い視点からの、読み応えある論文です。筆者は、地方行政制度の第一人者です。これからの自治体を論じる上で、重要な論文でしょう。ご一読をお奨めします。

2004.09.30

月刊『地方財務』(ぎょうせい)10月号に、関西社会経済研究所「三位一体改革のシミュレーション分析」の概要が載っています。また、新たに淵上俊則氏の「公務員制度改革の動向を読む」の連載が始まりました。公務員制度については、法令解説はありますが、制度全体の概要解説書は見あたりません。不思議なことですが。今後の執筆に期待します。長谷川彰一氏の「年金問題を考える」は最終回です。

2004.07.29

月刊「自治研究」(第一法規)7月号に、株丹達也自治税務局都道府県税課長の論文が載っています。表題は「地方税の現状と2、3の課題について(上)」ですが、地方税のあり方を大きな視点から見た論文です。
例えば基幹税については、国税から独立した地方税とするのか、国税と似たもの(付加税)にするのかといった問題を、哲学と実務、歴史の観点から論じています。わかりやすく、今後の地方税のあり方や税源移譲についても、参考になります。今までにない、歴史分析にたった、しかも政策提言型の骨太の論文です。(6月30日)
続きが、月刊『自治研究』8月号に載りました。今回は「課税権の帰属のあり方」と「基幹税目以外の税源移譲」についてです。三位一体改革とも関連のある、重要な論点です。これまでにない、未来志向の議論です。

池上先生の新著

池上岳彦立教大学教授が、「分権化と地方財政」(岩波書店)を出版されました。「シリーズ:現代経済の課題」の1冊としてです。そこでは「分権的福祉政府」を提唱し、税、交付税、地方債にわたる分析と改革案を述べておられます。三位一体改革への言及もあります。
地方財政は、今もっともホットな学問分野になっています。新聞記事だけでなく、次々と論文や書籍が出版されます。国庫補助金廃止と税源移譲は、理論的裏付けに基づきスタートしました。そして、現実に改革が進むと、新たな問題もでてきます。すると、また理論が展開します。このような学問と実行のキャッチボールで、三位一体改革が進むんだと思います。