「明るい課長講座」カテゴリーアーカイブ

生き様-明るい課長講座

井上亮・オリックス社長、部下に「やりたい」と言わせる

井上亮・オリックス社長「私のリーダー論」(9月26日)の続きです。9月27日の日経新聞夕刊「部下に「やりたい」と言わせる」から。

・・・井上さんはほとんど残業をしたことがないそうですね。
「しなかった理由は単純です。入社したときに私がマージャンができるということで、先輩からどんどん誘われたからです。だいたい夜6時15分にジャン荘集合ですから、必死で仕事を終わらせていました(笑)」

――生産性を上げるコツは何でしょうか。
「自分で仕事をコントロールして、他人にコントロールされないことです。上司からは期日を指定されるでしょうが、それまでの進捗管理は自分で責任を持ってやる。その代わり自由にやらせて下さいと言えばいいんです」
「逆に、上司の側は、部下にやらせるんじゃなくて、『やりたい』と言わせないといけない。もし部下に稟議(りんぎ)書の作り直しを指示して嫌そうな顔をされたら取り上げて、上司が自らやると言えばいい。そうするとたいていの場合は、『やらせてください』と言ってきます。私も管理職になってからはそうしてきました。部下が自分でやるという責任感を持つことが大事です。能動的にやる意識がないと成長しないんです」・・・

会社の飲み会2

会社の飲み会」の続きです。9月30日の朝日新聞オピニオン欄から。

・・・上司と部下では飲み会で話したい話題に違いがある――。クラフトビール製造の「ヤッホーブルーイング」(長野)が今年、社会人800人に実施した「飲み会実態調査」で興味深い結果が出ました。
上司が話したい話題は「趣味」(38・6%)がトップなのに対し、部下が最も聞きたいのは「会社の展望・将来」(49・6%)でした。部下から見ると、上司は自分より1・7倍多く話していると感じているという結果も・・・

三菱総合研究所プラチナ社会センター・松田智生主席研究員の発言から。
・・・僕の本業は地域活性化や地域創生です。企業や自治体、大学や地域の人たちと関わる中で、職場によって飲み会の雰囲気が違うことをこれまで実感してきました。
ダメな飲み会は上司が主に発言し、皆がヨイショ。「あいつは」「あの部署は」と主語は他人で、述語は過去形の会話ばかりです。他人へのダメ出しや愚痴、過去の自慢話が多く、不毛な気分になります。
良い飲み会での会話は、主語は自分で、述語は未来形か現在形。発言者は偏らず、出席率も高いのが特徴です。仕事の意味や理想について、青臭い議論もされたりします。
良い飲み会が開かれる職場は、仕事への姿勢も未来志向で会議も有意義ですが、悪い飲み会になる職場は、その反対でした・・・

この点も、反省します。いつも、私一人でしゃべっています。

「今夜一杯どう?」という誘い方は、なくなりつつあります(9月30日の記事で、タラコさんと書きましたが、穴子さんの間違いです。読者から指摘を受けて訂正しました。指摘ありがとうございました)。
県庁に勤務した際、このように誘うと「車通勤なので、事前に予約してください」と言われました。ある女性職員は「夫とどちらが先に帰って、子どもの面倒を見るかを決めているので、予約制です」とも。
企業の方に、「どのようにしているの?」と聞いたら、「毎月、課の人たちと飲む日を決めてあります。課員は、それにあわせて予定を組みます。当然、出席できる人だけです」という職場もありました。

「職員に義務づけずに、可能な人、好きな人だけ参加すれば良い」という説もありますが、これも問題を生む可能性があります。参加したくても、家庭の事情で参加できない人がいます。参加する顔ぶれが固定すると、親密度に差が出ます。飲み会で仕事の話で盛り上がり、翌日職場でその話が出ると、参加できない人は疎外感を持つでしょうね。

会社の飲み会

9月23日の朝日新聞オピニオン欄「会社の飲み会」が興味深いです。「酒の力は潤滑油か迷惑か」を問うています。
・・・「飲みニケーション」という言葉があります。職場の上司や同僚らと仕事帰りに「ちょっと一杯」。お酒を酌み交わして本音で語り合うことは、仕事を円滑に進めるために必要だという考え方もあれば、働き方改革が叫ばれている時代にそぐわないという意見もあります。みなさんは、どうでしょうか。職場の飲み会、好きですか?・・・

●「若い男性だからセクハラまがいな発言を投げかけても大丈夫だろうとなめられたのか、さんざんなことを言われて愛想笑いでなんとか拳をこらえた3時間という飲み会が思い出に残っています。若い世代には偉そうにコミュニケーション能力なんて語りながら、中高年社員たち自身は酒に逃げないとコミュニケーションが取れない『飲みニケーション』。情けないです」(IT、ベンチャー 京都府・20代男性)
●「子供ができる前は当たり前に参加していたが、現在は夜に子供たちだけで留守番させるわけにいかずまったく参加しなくなった。連れてきてよいと言ってもらうこともあるが、そのような場所に子供を置くことに違和感を感じる、たぶん子供が独立するまで夜の参加はありえないし、それで不都合があるとしてもしょうがない。ただ、主人は同じ子供をもちながら新年、忘年会、全て当たり前、仕事のためというわけでもなく、その中で子供の話もしているようで、会社の飲み会って何なのだろうと非常にモヤモヤする」(サービス業 兵庫県・40代女性)

●「若い時、人と付き合う基本を教えてもらったように感じます。逆に絡まれて嫌なこともありましたが、しらふで絡まれることを思えば、そこに『赦(ゆる)し』が介在するのが飲み会なのだなと思います。アルコールに寛容な日本社会らしいといえばそうなのですが、人前で意見を述べることに躊躇(ちゅうちょ)してしまうことが多いこの島国ならではのコミュニケーション手段なのだと今でも思います。今、管理職となった身として、なるべく積極的に部下を誘い、個人的に、また団体で飲むことが多いですが、自分がされて嫌だった一方的な押し付けを避け、なるべく彼らに自由に話す場を創出するよう努めています」(官公庁、諸団体 大阪府・40代男性)
●「まったく違う部署の先輩方にも飲み会の際に声をかけてもらえるようになり、社内の交友関係が広がった。業務中やオフィスでも声をかけてもらえることで仕事がスムーズに進むこともある。また、社内の裏事情や入社前の会社の話などを知ることで世渡り上手になる。嫌だった経験は、飲み会で相談したプライベートな内容を社内に広められたこと」(医療・福祉関係 京都府・20代女性)

会社の飲み会は、会社が男社会だった、昭和の遺物でしょうね。子育ての共働きだと、そんなにしょっちゅう、飲み会に付き合うことはできません。漫画サザエさんで「今晩、一杯どう?」とマスオさんと穴子さんが出かけますが、これもサザエさんが家を守っているからできるのです。
家庭を顧みずに会社に奉仕した男たちの世界です。もっとも、飲み会の時間は働いてはいないので、会社に奉仕したのか、自分たちの娯楽に励んでいたのか、怪しいですね。「コミュニケーションだ」とか「部下の指導だ」という言い訳をつけて。
私は、この点では猛省が必要です。この項続く

井上亮・オリックス社長、上司は人一倍努力している

9月20日の日経新聞夕刊「私のリーダー論」、井上亮・オリックス社長のインタビューから。

・・・稟議(りんぎ)書は端から端まで全部読みます。前日に全部資料を読み込む。逆にミーティングは10分で終わっちゃいます。長くても1時間はかけない。座る前に「この提案はだめだから会議しなくていい」と帰らせるケースもあります。これは嫌われますよね。私は嫌われCEOだと思います(笑)。
オリックスはリースの隣、またその隣へと事業領域を広げ、今や空港や水族館を運営するなど、複雑な案件が増えています。一業種だけ見ているなら、その業種のことだけを何十年間もやっているわけだからプロですよね。だからすぐに判断できる。当社の場合は細かく言うと100業種以上の案件の判断を日々しています。その場で社員から説明を受けて答えられるなんて、天才でもない限りありえない。だから事前に資料を読み込んで、判断していく。それだって正しいか自信はありませんよ・・・

永守重信会長、出た大学と偏差値は仕事のできとは全く何の関係もない

9月19日の朝日新聞「永守重信のメディア私評」「大学改革 ブランド主義・偏差値教育、破る議論を」から。

・・・今の大学教育には大変失望している。日本電産を創業して以来、国内だけで新卒の学生を約6600人採用してきたが、一流と言われる大学を出た学生でも英語は話せないし、専門分野もほとんどできない。多くの学生が即戦力にならないのだ。だから、企業で働けるように教育し直すのに、企業が時間もお金もかけている。こんな国は日本くらいしか見当たらない。
社内には、どの大学を出た社員がどんな仕事をし、どう昇進しているかを追跡したデータベースがある。一流大学の卒業生がいい仕事しているかと言えばそうでもないし、同期入社の中で二流、三流大学の卒業生が先に昇進することもよくあるし、同期のトップを走っていることもある。弊社はモーターの総合メーカーだが、新製品開発部門にも二流、三流大学の卒業生が多い。彼らの方が仕事ができるからだ。結論は、出た大学と偏差値は仕事のできとは全く何の関係もない・・・