カテゴリー別アーカイブ: 明るい公務員講座

明るい公務員講座

明るい公務員講座・中級編34

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第34回「職場の無駄(2)会議その2」が発行されました。前回に続き、会議の無駄についてです。
よい会議とはどのようなものか。その会議で何が決まったか1枚の紙にまとめてあれば、ひとまず合格です。それがない会議は、まあ無駄な会議でしょう。
意見が出ない会議も多いです。それは、各課で事務分掌がはっきりしているので、ほかの課の仕事に口をはさむのは、憚られるのです。参加者は「意見はあるのですが、その場では黙っていました」となります。このような会議は、開いても無駄ですね。

そして、「会議が無駄」のほかに、「会議の無駄」があります。会議の準備のために、多大な労力が費やされることです。資料作りや日程調整です。
会議で何かを決めることが目的なのに、会議に行き着くまでで「倒れてしまう」のです。皆さんも、心当たりがあると思います。

私が最も悪いと思うことは、資料作りにヘトヘトになって、しかし会議の結論を紙に残さないことです。
いえ、会議中に後ろの席で大勢の職員が、熱心にメモを取っています。しかし、それは公式な結論として使えないのです。
各人が、自分の立場と興味で書いています。書いた人によって、内容が違ってきます。また、出た発言をメモしているだけでは、結論を書き取ったことにならないのです。このような使えないメモ取りは、時間の無駄です。禁止しましょう。

今回の内容は、次の通り。
有意義な会議かどうかの判定、意見が出る会議、会議の無駄、会議資料作りの無駄、会議日程の決定の無駄。

明るい公務員講座・中級編33

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第33回「職場の無駄(1)会議その1」が発行されました。
前回までで、日本が先進国に学び、豊かになるという目標を達成したことで、仕事の仕方もこれまでとは変わる事情を説明しました。今回からは、仕事の仕方の改革を具体的に説明します。
仕事の改革には、「発想の改革」と「働き方の改革」の二つがあります。まず、わかりやすいところから、働き方の改革についてお話ししましょう。

その対策の第一として、職場の無駄、特に3大無駄を取り上げます。それは、「会議」「資料作り」「パソコン」です。
皆さんも、「こんな会議は無駄だなあ」と思ったことがあるでしょう。拙著『明るい公務員講座』では、「会議は仕事の敵だ」と書きました。今回は、さらに突っ込んで、何が無駄なのか、なぜ無駄な会議が生まれるのか、どうすれば無駄を省くことができるかを、お教えします。仕事の仕方について書かれた本は多いですが、このような内容を書いたものはあまりないでしょう。
今回の内容は、次の通り。
目標が変わると仕事の仕方が変わる、三つの無駄、何のための会議か、会議を開かない、参加者を絞る、時間を限定する。

明るい公務員講座・中級編32

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第32回「仕事の仕方を変える(2)迫る働き改革の波」が発行されました。
前回、世界一と言われた日本の企業が順位を落とし、行政が評判を落とした理由として、「官僚主導の国づくり、日本的労働慣行、集団主義」の3つがキャッチアップにはよく機能し、先進国に追いついた時点で短所になったと説明しました。
しかし、従来型の集団主義になじんだ人たちは、それを変えることが難しいのです。「この国のかたち」の改革は、根っこでつながっています。官僚主導から政治主導への改革も、その一つです。

働き方改革は、労働時間を短くするだけでなく、またそれを実現するためにも、意思決定の方法を変える必要があるのです。「みんなに合わせる」「指示を待つ、指示に従う」ではなく、「各人が考える」「上司が判断し、責任を持つ」にです。
では、「指示に従う」に慣れた人が、「自分で考えよ」「残業はよくない」という指示受けたらどうなるか。一斉に定時退庁して、働き方改革は実現するでしょう(苦笑)。
今回の内容は、次の通り。
仕事の仕方が時代に合わなくなった、集団主義の罪、静かな社会革命、この国のかたちの改革

次回から、仕事の仕方の改革について、具体的に何を変えたらよいか。職場の無駄とその改善方法を解説します。

明るい公務員講座・中級編31

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第31回「仕事の仕方を変える(1)キャッチアップ型の成功と限界」が発行されました。
なぜ、世界一と言われた日本の企業が順位を落とし、行政が評判を落としたか。それは「うまくいったが故に、ダメになった」というのが、私の見立てです。
官僚主導の国づくり、日本的労働慣行、集団主義。この3つが、キャッチアップ型の時代には、とてもよく機能しました。ところが、先進国に追いついた時点で、この長所が短所に反転したのです。
目標を達成したことで、目標が変わり、仕事の仕方も変える必要があったのです。しかし、日本はまだその転換に成功していません。処方箋は、次号に書きます。
今回の内容は、次の通り。
日本的経営は世界一だった、官僚主導の国づくり、日本的労働慣行、集団主義、社会の安定、日本的経営の終焉

明るい公務員講座・中級編30

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第30回「組織を動かす(4)働き方改革は仕事の改革」が発行されました。
昔は、お気楽な商売だったサラリーマン。それが、いつの間にか、長時間労働が当たり前の職場になりました。なぜ、それが広がったのか。今回は、その原因を解説しました。
そして、長時間労働削減に成功している会社の例として、三井住友海上火災保険株式会社の取り組みを紹介しました。写真もお借りして、載せました。
この会社の取り組みは、新聞などでもよく取り上げられているので、読まれた方も多いでしょう。始めるまでは「絶対できないと思っていた」女性職員の話も紹介しました。やったら、できたのです。
秘訣は、仕事のやり方を変えること、職場一斉に取り組むことのようです(会社の資料、「19時前退社ルール」「目指す姿、各種の取り組み」「会社概要」)。
役所にも参考になります。「自治体への働き方改革支援メニューの提供」もしています。

今回の内容は、次の通り。
成果で評価するのか投入量で測るのか、メンバーシップ型が加速する長時間労働、民間企業の挑戦、働き方改革は仕事の改革