今日、官邸で官房長官から、総理大臣名の辞令をもらいました。内閣官房内閣審議官に併任され、内閣官房におかれた再チャレンジ担当室長になりました。上司は、山本有二再チャレンジ担当大臣、坂内閣官房副長官補になります。再チャレンジ担当室は内閣官房に置かれたので、私も内閣官房の職員になって、その仕事をするということです。併任発令なので、給料は内閣府からもらいます。また、内閣府の仕事(経済社会システム担当)も引き続きするので、仕事が二つになります。幸いなことに、再チャレンジ担当室は、今の職場の同じビルの同じフロアにできます。その点では便利です。会議室を改造します。室員は、各省から集めます。彼らは、内閣官房の併任発令を受け、仕事は再チャレンジの専任になります。
今朝の朝日新聞が、20行にわたって書いてくれました。新政権の主要政策なので、注目されているようです。何人もの方々から、お祝いと励ましの電話やメールをいただきました。ありがとうございます。
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教育改革
9日の朝日新聞「きょうの論点」は、「教育バウチャー制度の是非」で、ワタミ社長の渡邉美樹さんと志水宏吉阪大教授が意見を述べておられました。私は、バウチャー制度導入論者です。
反対論者である志水教授は、「公立学校では均質な教育が受けることができるが、学校選択制でも学校間の格差を生んでいる。バウチャーを導入すれば格差がどんどん広がる」と主張しておられます。それは裏返せば、公立学校では低いレベルで、均質な教育を行っているということでしょう。
もう一つ、私立学校の存在と、既に都会では学校選択が進んでいるという事実、そして多くの子供が塾に行っているという事実を無視しておられます。ちょっとした金持ちで教育に熱心な家庭は、子供を私学に通わせています。そして、私学は公金投入が少ないため、父兄の負担が大きいのです。塾も同じです。それは、金持ちの子供が良い教育を受けることができるという、格差の固定化を生んでいます。
三位一体改革で義務教育国庫負担金(といっても、公立学校教員国庫負担制度です)が議論になっていたとき、もう3年ほど前になるでしょうか。文科省担当の記者が「文科省職員子弟の通っている学校アンケート」を取ろうとして拒否されたことが、新聞に載ったことがあります。匿名なら個人情報に当たらないのにと、思ったのですが。
勉強不足の記事2
9日の朝日新聞「新聞週間特集」で、藤原帰一教授が「世界は単純じゃない」として、次のようなことを発言しておられました。「ただでさえ分かりにくい国際問題を少ない情報量で書くと、どうしても「善玉対悪玉」の話になりがち。フセイン政権下のイラクもそうですが、北朝鮮の内情は不明な部分も多い。その際、学者は「わからない」と言う権利や、むしろ責任があるけど、記者は言えないんですね」
「変化の深層を掘り下げた報道がもっと欲しい。例えば、先日クーデターがあったタクシン政権下のタイを、これまでどれだけ報道していたのか」
秋の3連休
3連休ですね。東京は、金曜日に嵐が来ました。各地で被害も出ています。お見舞い申し上げます。土日は、良い天気が続いています。キンモクセイの香りを嗅ぐと、運動会を思い出しますね。で、今日は、運動不足解消をかねて、少し長めの散歩をしました。さわやかな良い気分でした。そのあと、久しぶりにフルートを出したら、なかなか指が動きません。娘曰く「『ご近所の皆さん、お騒がせしております』と、竿だけ屋さんのように、町内に言って歩かなきゃ」
政治と思想
先日、三島憲一著「現代ドイツ-統一後の知的軌跡」(岩波新書、2006年)を読みました。机に向かっているときは、ほとんど原稿を書いているか、このHPを加筆しているので、もっぱら布団の中での読書になってしまいます。
それは、さておき、なかなか考えさせる本でした。私は、ドイツ統一を政治の大きな企てとして、関心を持っていました(例えばヨーロッパで考えたこと)。この本は、統一後15年を経たドイツを、制度や経済でなく、政治思想・政治哲学から分析しています。政治思想からの分析は、数字で実証できないので、なかなか難しいものです。エピソードの羅列になる恐れもあります。その点の評価は、それぞれ読んでいただくとして・・。
筆者は、次のように指摘します。EUの統合は、国家単位でものを考える思考から、抜け出ようとする企てであった。民族単位で国家を作り、その国家同士が競い合うという、権力政治的な考え方からの訣別であった。それに対し、ドイツ統一を支えた思想は、同じドイツ人ならば、それだけで統一は正当化されるという暗黙の前提に依拠していた。この前提は、一見当然に思えるかもしれないが、ドイツ人というのは歴史上のある時期に偶然の政治的理由による線引きで、できあがった人々を指す言葉に過ぎない。
そのほか、東ドイツ解体吸収が生んだ精神状況、ネオナチ暴力への評価、ナチスの犯罪をめぐる論争、イラク戦争をめぐるアメリカとの距離など、政治家・知識人の思想の葛藤と戦いが、書かれています。
15日の日経新聞中外時評は、平田育夫論説副主幹の「広がるか、談合の自首」でした。「今年1月施行の改正独占禁止法は、談合など違法行為を自首(申告)した企業には課徴金を減免するようにした。『日本の企業風土に合わない制度。とても機能しないだろう』。専門家の多くはそう予想していた。ふたを開けてみれば実施から3か月で26件、その後も月に4-5件の自首がある」
日本の風土といった理由付けは、怪しいことも多いですよね。