明治維新と戦後改革の違い

粕谷一希著『粕谷一希随想集2 歴史散策』(2014年、藤原書店)、「思いつくこと 着想の面白さ」(p107~)から。
・・明治の歴史記述はずば抜けて面白い。それは維新という近代革命があって、日本の社会がガラリと変わったこと、幕末のころに日本の儒学、蘭学、英語が絶頂に達していたことによるのだろう。
米欧を政府使節について廻った久米邦武の『米欧回覧実記』は生々しく面白い・・
・・総じて敗戦後の日本よりも、維新直後の文章の方がはるかに面白い・・
・・要するに明治国家の当事者たちも、近代国民国家として欧米”列強”に対抗して独立を維持できるかどうか不安だったのだろう・・
私は、明治維新と戦後改革はともに大きな変革ですが、二つの間には緊張感の違いがあると思います。それは、政治指導者たちの危機感の違い(植民地になるかもしれないという不安vsアメリカの指導の下に独立を回復すれば良い)、構想力の違い(これまでのお手本である中華体制を離れ、何をお手本にするかを自ら選ぶ必要があったvsアメリカの指導に従っておれば良かった)だと思います。