つながり・支え合いのある地域共生社会

孤独感、若い世代で強い」の続きです。令和5年版厚生労働白書の主題は、「つながり・支え合いのある地域共生社会」です。「概要版」がわかりやすいです。いくつか抜粋します。

●単身世帯の増加、新型コロナウイルス感染症の影響による、人々の交流の希薄化などを背景として複雑化・複合化する課題、制度の狭間にある課題(ひきこもりやヤングケアラーなど)が顕在化。
●こうした課題に対して、これまでの「つながり・支え合い」の概念は拡がりをみせており、ポストコロナの令和の時代に求められる新たな「つながり・支え合い」の在り方を提示。これにより、人々がつながりを持ちながら安心して生活を送ることのできる「地域共生社会」を実現する。

・世代や属性を超えて、様々な人が交差する「居場所」づくり
・「属性(高齢・障害など)」別から「属性を問わない」支援へ
・支援の申請を待つ「受動型」から「能動型」支援へ(アウトリーチ)
・暮らしの基盤である「住まい」から始まる支援
・デジタルを活用し時間や空間を超えた新たな「つながり・支え合い」の創造

厚生労働省が、ここまで変身しました。社会保障だけでは、困っている人の助け・支えにならないのです。私が連載「公共を創る」で訴えている「社会の不安が変化している」「行政の役割も変わっている」ことに、応えてくれています。

かつてこのような暮らしの問題は、内閣府の国民生活局が扱い、「国民生活白書」で取り上げていました。そして第一次安倍内閣が掲げた再チャレンジ政策で取り組んだのですが、その後は大きく扱われることがありませんでした(このホームページでは「再チャレンジ」という分類を作り、このページもそこに入れてあります)。
孤独・孤立がさらに進み、社会の不安が国民の間に認識されるようになったのだと思います。子ども食堂の広がりも、その一つです。