2月10日の日経新聞に、「経常収支、海外配当収入が稼ぎ頭に 貿易は赤字」が載っていました。そこに、2014年の数字と10年前の2004年とを比較した表がついています。この間の変化がわかりやすいです。
この10年間に、経常黒字は19.7兆円から2.6兆円に大きく減りました。そのうち、貿易収支は、14.4兆円の黒字から、10.4兆円の赤字へと大きく変化しています。物を売って稼ぐという日本の姿が、工場の海外移転などで様変わりしたのです。原発停止に代わる天然ガスの輸入増などの要因もありますが、一時的な変動でなく、この10年間を通しての変化です。
代わって稼いでいるのが、海外への投資からの配当や利子です。10.3兆円から18.1兆円と大きく増えています。また、旅行は、2.9兆円の赤字から0.1兆円の赤字へと大きく減り、もうじき黒字になりそうです。訪日外国人が増え、お金を使ってくれるからです。
世界の工場から、貯めたお金を海外に投資してその上がりで暮らす。かつての大英帝国のような道を歩んでいるのでしょうか。なお、財務省の発表はこちら、「平成26年中 国際収支状況(速報)の概要」、「推移表」。