9日の読売新聞に、「地方財政計画」が解説されていました。「スリム化改革どこまで、巨額の使い回し検証なおざり」という副題でです。いかにも、地方財政にムダがあるかのような解説でした。
財務省の主張は載せながら、地方団体や総務省の主張はまったく取り上げていません。まるで「××省の広報紙」みたいでした。解説という形を取っているだけに、よけいたちが悪いですね。たとえ××省の主張が正しいとしても、両方から取材し、「被告」側の主張も載せるべきでしょう。それが記事の基本であり、解説ならなおさらです。読売新聞らしくないですね。(2月9日)
【国の基準】
10日の朝日新聞は、厚労省による児童福祉司の配置基準見直しを伝えていました。児童虐待など児童相談を行う、県や大都市に置かれている専門職員です。
記事にもあるとおり、地方交付税では「人口6万8千人に1人」の基準で計算(交付税が配られるように)しています。一方、厚生労働省は「10万~13万人に1人」を配置基準にしてあるそうです。
交付税の計算基準も、かつては厚生省の基準に合わせていたのですが、近年、問題が大きくなり、各県の要望や実態に合わせて人数を増やしてきました。現場では、国の基準の改定など待っておられないのです。これが、分権が進んだ一つの形でしょう(私は、厚生省も基準を変えていたと思ってました)。(2月11日)
12日の産経新聞は、「三位一体改革論議再起動」として、1面を使って解説していました。読売新聞は、「知事講座シンポジウム、地方はどう自立するか」を載せていました。また、毎日新聞は社説で「全国知事会、国と闘う力量をつけよ」を主張していました。(2月14日)
全国知事会長が決まりました。記者さんたちとの会話です。
「会長選挙がこんなに注目されるのは、初めてですね」
「それだけ、知事会が力を持った、しかも中央政界が気にするようになった、ということでしょう」
「でも、穏健派の麻生知事では、急進派の増田知事に比べ、三位一体改革は進みにくくなりませんかね」
「それは違うだろう。穏健派が会長になると、急進派の突き上げを気にせざるを得ない。急進派から『手ぬるい』と批判されないために、積極的にならざるを得ない。逆に急進派が会長になったら、穏健派と妥協しなければならないから、ペースを落としただろうけど。『軍縮ができるのはタカ派』と同じだね」
新会長と知事会に期待しましょう。このHPでも書いているように、地方団体から次々と仕掛けていかないと、この改革は進みません。(2月17日)
今朝の新聞各紙は、知事会長選の結果を解説していました。「分権改革、重い公約」(朝日)、「政府、地方無視できず。三位一体改革、協議を継続へ」「存在感を増す知事会、分権の具体像カギに」(日経)、「国との交渉力増す、投票手続通じ」「求められる施策能力」「自民に安どと警戒感」(毎日)、「政策能力持つ組織へ変革必要」(産経)などです。読売は、青山彰久記者の「意見提出権で内政に積極関与を」を載せていました。
社説は、「痛み覚悟で結束を保てるか」(日経)、「新会長に三つの注文」(朝日)、「地方の時代、調整型では通らない」(毎日)でした。
知事会への期待がいかに大きいか、そして何を期待しているかがわかります。(2月18日)
19日の読売新聞社説は、「全国知事会長、自己改革への指導力も大事だ」を書いていました。21日の毎日新聞は「知事たちの闘い、地方分権は進んだか」連載1を、日経新聞は「麻生知事会スタート、懸案山積の船出」を載せていました。(2月22日)
24日の産経新聞は「知事会長、昔名誉職、今は激職」を書いていました。日経新聞夕刊は、中西晴史編集委員の「全国知事会長に麻生氏、容易でない改革の成果」を載せていました。(2月24日)
28日の毎日新聞は、「知事たちの闘い・地方分権は進んだか」連載2を載せていました。主張は「国民の共感を味方に」です。
2日の朝日新聞では、坪井ゆづる論説委員が「三位一体決着なるか。改革3年目、今後の行方探る」を書いておられました。「改革は3年目に入り、いよいよ決着のときを迎える」です。問題点を、切れ味よく分析しておられました。ご一読ください。(3月2日)
3日の朝日新聞夕刊には、新藤宗幸千葉大教授が、「全国知事会、制度構想で官僚と闘え」「地方分権改革の政治勢力へと成長」を書いておられました。(3月3日)