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連載「公共を創る」第217回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第217回「政府の役割の再定義ー政治主導を阻む与党事前審査制度」が、発行されました。

政策を大転換するには、課題、解決方法、手順などについて関係者や国民の理解を得ることが必要です。その手法の一つとして、審議会や経済諮問会議などの合議体を使ってその議論の進捗や内容を公開していくことを説明しています。

大きな改革は、審議会での議論から始まり、その答申を受けての法律案作成、国会での審議、可決された後の施行と、実現までには時間がかかります。
地方分権改革は、国会での決議が1993年、地方分権推進委員会の発足が1995年、地方分権一括法の成立が1999年、その多くが施行されたのは2000年です。
1年程度の予算年度では実現しません。長期の内閣を通じて、あるいは複数内閣が交代しながら、改革が進められていきます。

政策の大転換に必要な手続き、その2は抵抗勢力を説得することです。
これまで政策転換が進まなかった理由に、官僚主導と与党の抵抗が挙げられます。まず、与党(議員)が首相(党総裁)の意向に従わず、改革が進まないとはどういうことか、から説明します。
政府(各府省)が法律案を準備しても、与党の反対で提出できないことが起きます。このようなことが起きるのは、内閣の政策決定過程が政府に一元化されず、与党にも政策決定の仕組みがあって、それを経てようやく内閣の決定となるからです。政府と与党が並立している二元制です。さらに「与党事前審査」が慣例として制度化され、与党内で党議拘束がかけられるからです。

岡本全勝

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