私の勤務先である市町村職員中央研修所でも、電子決裁が進みつつあります。起案者は便利になります。ところが、決裁者には、少々困ったことが起きます。
その一つは、ちょっと聞きたいことがあっても、前に起案者がいないのです。画面を使って質問をするか、出かけていって聞くことになります。本質的な疑問なら、それをいとわないのですが、ちょっとしたことの場合は困ってしまうのです。私は、出かけていきますが、面倒な人はそのまま了解するのでしょうね。
もう一つは、職員と顔を合わす回数が減りました。大部屋なら、決裁や相談がなくても顔を合わせます。しかし個室では、案件がないと部下は来てくれません。
「いやな上司と顔を合わさなくてもすむからうれしい」という職員もいるでしょうが。上司としては、部下がどのように仕事をしているか、その状況を知りたいのです。職場は通信教育ではなく、決裁は送られてきた答案の採点ではありません。
この状況に、どのように対応するのか。考えなければなりません。
と書いたら、肝冷斎が「でも部下に決裁を投げつけようにも電子決済だ」(なので投げられない)と反応しています。そういえば、私の若い頃に、気に入らない決裁案だと決裁板を投げつける上司がいましたね。