次の10年の復興基本方針

今日19日は、総理官邸で、復興推進会議を開きました。
「復興・創生期間後における東日本大震災からの復興の基本方針」を決定しました。発災から10年(1年3か月後)の、次の方針です。資料

津波被災地は、次の5年間で、残った復興事業を完成させます。心のケアなど5年以内に終了しないものは、その後の方針を改めて決めます。
私の考えでは、一般施策に移行し、必要な分を上乗せするのが良いと思います。毎年、大災害が起きています。東日本大震災だけが特別なのではなく、それらの災害での被災者も、同様の支援を行うべきです。被災者の多さの違いは、政府にとって対応の大きさが異なりますが、一人一人の被災者にとっては、関係ありません。

これまでの災害復旧政策は、地方自治体の公共施設災害復旧を念頭に置いていたので、自治体ごとの被害額によって、支援の程度を変えていました。東日本大震災から、公共施設の復旧より、被災者支援に力を入れるようになりました。すると、判断基準(物差し)が異なるのです。自治体支援なら被害額の大きさです。しかし、被災者にあっては、その人の被害の大きさが物差しです。このあたりは、関係法令の組み立てを見直す必要があります。

原子力被災地は、復興はまだこれからです。当面、次の10年間、復興を進めます。そして、5年後に状況を見て、事業の見直しを行います。
これまでに、避難指示解除ができるところは、ほぼ解除できました。帰還困難区域の一部に、復興拠点をつくっています。5年後には、違った状況になっているはずです。
復興庁も、存続することになりました。

官邸の会議室で、議事の進行を見ながら、「ここまで来たな」と感慨にふけっていました。出席者のうち、たぶん私だけが、発災以来一貫してこの仕事に携わりました。他に「伴走者」がいたら、一緒に振り返りをしたのですが。
これについては、別途書きましょう。何が、予想通りだったか、何が、予想通りでなかったかです。